睡眠研究と森林浴研究をご紹介します。睡眠も森林浴も身近なことですが、よくわかっていないことが沢山あり、研究が進められています。
一般的に早寝・早起きは良いこととされていますが、中学~大学生の時期は一生のうちで最も夜型化しやすい年代ということがわかっています。よって、高校生に早寝・早起きを勧めるのは理に適っていません。研究段階の一例としては、必要な睡眠時間は個人差があり、その原因遺伝子の探索が行われています。森林浴や木材の内装も睡眠に良い可能性が示されています。わかっていないことを解明していく楽しさをお伝えできればと思います。
奈良女子大学理学部物理学科卒。株式会社三菱重工業勤務でのエンジニアを経て、東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻修士課程修了、京都大学大学院医学研究科にて博士(社会健康医学)学位取得。京都大学在学中にドイツ・ミュンヘン大学に留学。
現在は、クロスアポイントメント制度により、(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の2か所に勤務。
私は物理学科では落ちこぼれで、エンジニアも向いているとはいえませんでした。30代でやりたい!と思うことがあったので、違う分野の大学院に進学し、それが今の仕事につながっています。「理系」と一口に言っても、分野によって、文化も求められる素養も全然違っています。もし、一つの分野で向いていないと思っても、他に道はあります。やりたいことを目指していると多くの方が助けて下さいました。皆さんもやりたいことが見つかって、人生がより豊かに楽しくなるよう、応援しています。
宇宙マイクロ波背景放射や銀河などの観測から、私たちの身の回りの世界を形づくる元素は宇宙全体の5%程度でしかないことがわかっています。残りの約95%はその正体がわからない暗黒物質と暗黒エネルギーでできており、これらはミクロな世界には未知の発見があることを示しているのかもしれません。一方で多様な姿を見せる私たちの宇宙の源は宇宙創生直後の量子揺らぎによって作られたと考えるインフレーションシナリオが、宇宙の全ての観測を矛盾なく説明できることも知られています。最新の宇宙の観測データを交えながら、138億年の宇宙の歴史についてこれまでにわかってきたこと、そして私たちが現在取り組んでいる謎について紹介します。
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(兼任:総合研究大学院大学)准教授。2010年早稲田大学先進理工学研究科にて博士号を取得。専門分野は宇宙物理で、最近はインフレーション、暗黒物質、重力波などの研究をしています。
いろんなものに興味を持って、皆さんが本当に好きなことを大切に、充実した高校生活を送ってください。理系女子キャンプで若い皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。