レクチャー

矢田詩歩 Shiho YADA


アブストラクト:

私は洗剤や化粧品などに使用されている界面活性剤について研究を行っています。界面活性剤は水中でナノメートルサイズの分子集合体を形成します。分子集合体の形状は球、棒、紐などさまざまあり、これらの形状は溶液の粘度や洗浄力などに大きな影響を与えます。私は界面活性剤の分子構造と分子集合体の関係性に興味をもち、新しい構造をもつ界面活性剤を自ら分子設計・合成して、それらが水溶液中で形成する分子集合体の構造について調べています。世界に一つしかないオリジナルの分子をつくり、目にみえないナノスケールの分子集合体をどのように調べているのか、研究の面白さとともにお伝えできればと思います。

自己紹介:

東京理科大学工学部工業化学科 助教。2019年奈良女子大学大学院人間文化研究科共生自然科学専攻にて博士号を取得。奈良女子大学研究院自然科学系化学領域 助教を経て現職。専門分野はコロイド・界面化学。

女子高校生へのメッセージ:

みなさんには、将来の多くの選択肢が溢れています。さまざまなことに興味をもち、学びを楽しんでほしいです。将来やりたいことがまだ決まっていない人も、理系女子キャンプを通して、やりたいことや興味のあることが少しでも見つかればいいなと思っています。皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

 
Yada

渡辺寛子 Hiroko WATANABE


アブストラクト:

物質の最小単位である素粒子の一種、ニュートリノは何でも通り抜ける「おばけ粒子」です。宇宙、太陽、原子炉、そして地球と、様々な発生源から大量に生成されており、実はこの世界はニュートリノで満ちているとも言えます。この滅多に反応しないニュートリノを巨大で静かな検出器で観測し、ニュートリノの素粒子としての性質が明らかになってきたおかげで、発生源を調べる道具として用いる研究が進んでいます。
地球内部の放射性物質は地球の様々な活動を支える熱源の一種ですが、どこにどれだけの熱源があるのかは実はまだ良くわかっていません。直接掘り進むことが難しい何百キロ、何千キロも深い地球深部の放射性物質が生成したニュートリノ「地球ニュートリノ」を地表で観測し、地球内の熱量を測る研究をしています。レクチャーでは、岐阜県神岡鉱山内の世界最大の液体シンチレーター検出器を用いたカムランド実験で進む世界最高精度での地球ニュートリノ観測と、様々な異分野の研究者が集結して進められている「Ocean Bottom Detector」プロジェクトを紹介します。

自己紹介:

東北大学ニュートリノ科学研究センター助教。2012年に東北大学で博士課程取後、現職。2023年より東北大学ディスティングイッシュトリサーチャー。専門はニュートリノ実験で、カムランド実験に従事するとともに「ニュートリノ地球科学」の研究をしています。

女子高校生へのメッセージ:

男女関係なく、何にでも興味を持ち好きなことを見つける機会を広げていくことが大切だと思います。皆さんが好きなことを仕事や生涯をかけたいと思えることにできると良いですね。理系女子キャンプで皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

 
Watanabe

Yasmine sara Amhis


Abstract :

Flavour physics has been a wonderful laboratory to discover new particles and phenomena in modern particle physics. Both expected and unexpected observations allowed to predict the existence of particles and contribute to paint a coherent landscape of the Standard Model.
However, the Standard Model despite being one of the biggest successes of the last 70 years, is known not to explain the whole picture. What secrets can we still unravel from flavour physics today?

Profile:

Yasmine Amhis is a flavour physicist. She completed her PhD in 2009 in Orsay (France), after spending three years in Switzerland at EPFL as a postdoc, she entered CNRS in 2012 as a chargée de recherche.
She dedicated almost all of her research time to the LHCb collaboration at CERN. In 2022 she was elected Physics Coordinator of the LHCb experiment. Besides physics, Yasmine loves to read, write, draw and play the cello.

 
Yasmine sara Amhis
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