Seminar

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量子測定の意外な側面

  • PLACE 4号館 345号室

量子力学は、測定されなければユニタリー発展、測定されればノイマンの射影という2本立ての法則から成る。射影をもたらす測定は「強い測定」であるが、被測定系と測定器を弱く相互作用させることにより、射影の度合いも弱い「弱い測定」が可能である。強い測定も弱い測定も単なる計測にとどまらない意外な効用あるいは性質があり、最近理論のみならず実験研究も進んでいる。たとえば量子もつれ(エンタングルメント)と強い測定を組み合わせると興味深い「測定誘起型量子演算」ができるが、これは4光子系で実験が行われている。一方弱い測定を用いると、量子干渉を妨げず干渉計の中の粒子の経路の「期待値」が知れることが最近わかって来た。さらに特殊な干渉計ではそれが負という異常な値が出ることが予想され、それも実証された。そのようなことが起こる一般的条件はまだ分かり切ってはいない。講演ではこれらの研究を解説するが、準備も兼ねて量子もつれおよび量子テレポーテーションから紹介する。(コロキウム)


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