北京電子―陽電子コライダー(BEPC)は、タウ粒子―チャーム・クォークのエネルギー範囲で運転し、シンクロトロン放射線源を持つ特殊な電子―陽電子コライダーである。入射器リニアック、移送ライン、貯蔵リング、北京スペクトロメータ(BES)、及び北京シンクロトロン放射線施設(BSRF)からなっている。BEPCは1988年にIHEPに完成し、同年運転を開始した。タウ粒子の質量測定や、2〜5 GeVのR値測定、Xの発見(1835)など、数々の物理成果がある。BEPCのアップグレード器であるBEPCIIには、二重リングの電子―陽電子コライダーと、外リングのシンクロトロン放射線施設がある。BEPCIIのエネルギー範囲は1〜2.1 GeVであり、1.89 GeV でのルミノシティは
で設計されている。光源は、強度250 mA、ビームエネルギー2.5GeVで運転している。このプロジェクトの建設は2004年初頭に開始し、2008年に完成。以来、高エネルギー物理学とシンクロトロン放射線プログラムの両方で、このコライダーが使用されている。BEPCIIにより、タウ粒子やチャーム・クォーク物理の性質究明がよりいっそう深まるであろう。