第九回粒子物理コンピューティングサマースクールを開催しました

2026年7月27日から7月31日の5日間、高エネルギー加速器研究機構(KEK)小林ホールを主会場に、粒子物理コンピューティング懇談会主催によるコンピューティングサマースクールを開催しました。粒子物理コンピューティング懇談会は、素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理分野の計算機利用技術に関するコミュニティです。本サマースクールは、その活動の柱であり、最新の計算機利用技術に馴染みのない物理系の大学院生を対象に、所属大学の地域によらず公平に若手育成を行うとともに、講師自身が最新技術にキャッチアップすることを目的としています。今年は、全国14大学31研究室から45名の大学院生が参加しました。KEK計算科学センターからは、7名が講師として参加しました。

講習内容としては、参加者全員が受講する共通講習として、計算機とネットワークの基礎・応用技術(GPGPU、クラスター、グリッド)およびデータ解析に必要な技術(統計解析、機械学習、シミュレーション)を取り上げました。さらに、量子コンピューティングおよびリアルタイムコンピューティングについても講習を行いました。午後の講習では、計算機応用コース(Deep Learningの実践、Modern C++、ソフトウェア開発ツール)とATLASソフトウェア講習を並行して行いました。最終日に行った実習成果発表会では、参加者全員がそれぞれ5分の持ち時間で、4日間に取り組んだ課題について工夫を凝らした発表を行いました。開催内容については、スクールのホームページに掲載しています。

参加者には、それぞれの講習内容や理解度についてのアンケート調査を行ったところ、ハードなスケジュールにもかかわらず概ね好評で、対面開催でのサマースクールの継続を望む意見を多くいただきました。2017年から開始した本サマースクールは今年で9回目の開催となり、総受講者数は今回を含め、28大学・研究機関から362名に達しました。これまで参加した学生の所属分野は実験物理にとどまらず、理論物理、加速器科学、材料科学などに拡大し、所属大学は日本全国に広がっています。今後も幅広い学生に対しての教育活動に取り組んでいきます。

本サマースクールは、東京大学素粒子物理国際研究センター(ICEPP)および高エネルギー加速器研究機構(KEK)による加速器科学国際育成事業(IINAS-NX)の支援を受けて開催しています。

参加者集合写真