2025年11月17日に香川高専高松キャンパス(香川県高松市)で 「ミクロの世界を見る加速器の仕組み~素粒子現象から巨大構造物まで透視するミューオン加速技術~」 という題目で、加速器とその利用、高専における加速器制作活動に関する講演を行いました。 本科4・5年生あわせて約100名にご参加いただきました。
講演では、まず加速器の原理について説明した後、医療分野での応用など加速器の利用例を紹介しました。 さらに、宇宙線ミューオン、ミューオンビームを用いたイメージング・非破壊元素同定などの技術を紹介し、 現在進めているミューオン加速研究と、それによって可能になる素粒子研究について詳しく説明しました。
最後に、高専で行っている加速器製作の取り組みにも触れ、高専で学ぶ専門知識や技術が加速器をはじめとする社会に役立つ装置の開発にどのように貢献しているかについて紹介しました。 高専出身者としての自身の実体験も踏まえて、学生にとって将来のキャリアの参考となる内容をお話しました。
受講後のアンケートでは、 「わかりやすい資料と講義で聞き取りやすかったです」 「ミューオンの加速がなぜできていなかったのかなどの技術的な背景をもっと知りたい」などのコメントが寄せられ、 加速技術に興味を持っていただけた様子がうかがえました。
12月には住友重機械工業の加速器部門の研究者による講演が予定されており、同社で製造しているサイクロトロンとその医療応用について紹介されるほか、工場見学も実施する予定です。