香川県高松市の香川高専高松キャンパスで本科4・5年生約100名を対象に、 「ミクロの世界を見る加速器の仕組み~素粒子現象から巨大構造物まで透視するミューオン加速技術~」 という題目で、加速器とその利用に関する講演を行いました。
講演では、まず加速器の原理について説明した後、医療応用などの加速器の利用例を紹介しました。 次に、古代ピラミッドの秘密の空間の発見や火山内部の透視に利用されている素粒子ミューオンについて取り上げ、J-PARCで人工的に大量生成したミューオンを用いた研究や、最新の技術開発や研究の展開について説明しました。
講義の最後に、高専で行っている加速器製作の取り組みにも触れ、高専で学ぶ専門知識や技術が加速器をはじめとする社会に役立つ装置の開発にどのように貢献しているか、高専出身である大谷が自身の実体験を踏まえて説明しました。 受講後のアンケートでは、「宇宙と加速器の関係についてもっと聞きたかった」などのコメントが寄せられ、加速器を用いた研究内容に興味を持っていただけた様子が伺えました。 2週間後の1月20日には住友重機械工業の加速器部門の研究者が、同社で製造しているサイクロトロンとその医療応用について紹介する予定です。