ILC 理解増進のための寄附金
ILC 理解増進のための寄附金
国際リニアコライダー(International Linear Collider: ILC)計画を実現す るための理解増進活動経費(広報活動経費)の一部に充てるため、寄附金を 募集する。
ILC は、全長 31 km の直線トンネルの両端から電子と陽電子のビームを現在 達成できる最高のエネルギーで加速し、中央の衝突点に設置した測定器によ って、電子・陽電子の衝突による物理現象を観測するための装置である。宇 宙誕生時に迫る高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎、 時間と空間の謎、質量の謎に迫ることを目指している。ILC 計画は構想段階 から国際協力の下に進められ、2013 年に技術設計報告書(Technical Design Report: TDR)がまとめられた。TDR には ILC の詳細な仕様および各モジュ ールの製造方法などが記述されている。ILC は、建設から運転開始まで約 10 年が必要とされ、現在世界 3 極で研究開発が進められている大型のプロジェ クトである。高エネルギー物理学の総力をあげて成す研究施設となるため、 国際協力により世界の 1 か所に建設することを計画している。2012 年に日本 の高エネルギー物理学研究者コミュニティは、ILC 計画を日本がホストして 実施することを提案した。一方、国際研究者コミュニティは、それぞれの将 来計画において、上記、日本の研究者コミュニティの提案に対する支持を表 明している。このような機運に対して、文部科学省は ILC に関する有識者会 議を設置し、日本がホストして ILC 計画を実施することについての可否判断 を行う際に必要となる様々な課題について調査・検討を行っている。2015 年 6 月にこれまでの議論のまとめが公開されたが、その中で、特に「計画の全 体像を明確に示しつつ、国民及び科学コミュニティの理解を得ることが必要」 と提言されている。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、加速器科学の国際拠点として最先 端大型加速器施設を用いた研究を推進してきた。これまでにも KEK で生み 出された成果は、新しいサイエンスや応用研究のフロンティアを後押しする 駆動力となってきた。KEK では 5 か年間の具体的な研究計画である「KEKロードマップ 2013」を策定しており、ILC 計画については、「日本がホス トする ILC 計画を推進するために国際準備組織を立ち上げ、装置、施設・設 備、研究所組織の詳細設計などに取り組み、国際協力の枠組みによる建設着 手を目指す」と記載されている。KEK では ILC 推進準備室(室長:山内正 則機構長)を設置し、機構内外と連携して ILC 計画実現に向けて様々な活動 を実施している。ILC の主要な技術である超伝導加速空洞等の研究開発は、 加速器研究施設が中心となって行っている一方、国民及び科学コミュニティ に対する ILC 計画の理解増進活動を含めたプロジェクト推進は、ILC 推進準 備室が中心となって進めている。
本寄附金募集事業で得られた資金は、ILC 計画実現に向けた推進活動の中で、 国民及び科学コミュニティに広く ILC 計画を周知し、また ILC 計画について の理解を深化させる活動(以下「ILC 計画の理解増進活動」という。)に活 用する。今後計画実現に向けて重要な時期に理解増進活動をさらに充実させ るためには、寄附金による資金を導入することが有効である。また、寄附金 を募集する活動自体が、ILC 計画を広く周知する機会ともなる。
本寄附金募集事業で得られた資金は、建設費用や技術開発費ではなく、ILC計画の理解増進活動(広報活動)を実施するために使用する。
1000万円
平成28年12月1日 ~ 平成31年3月31日
【KEK からの寄附者特典】
【ILC 理解増進のための寄附金からの寄附者特典】
【寄附申込みに関すること】
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
研究支援戦略推進部研究支援企画室
〒305-0801 茨城県つくば市大穂 1-1 Tel:029-879-6231
PHS:029-864-5200(内線 2772) Fax:029-879-6229 E-mail:kek-kifu@ml.post.kek.jp
【募集事業に関すること】
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
ILC 推進準備室
〒305-0801 茨城県つくば市大穂 1-1 Tel:029-864-5131
Fax:029-864-4602 E-mail:ilc_kifu@ml.post.kek.jp