高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、加速器という大型の設備を目的に応じて設計・設置し、素粒子・原子核から物質・生命まで、幅広い分野の研究を大学の研究者の方々と共に進めています。KEKの放射光施設「フォトンファクトリー」は、1982年のファーストビームの取り出しから40年を超える現在まで、ノーベル化学賞の対象となったリボソームの構造決定への貢献などの顕著な研究成果を挙げ、また全世界の放射光施設に広まった真空封止アンジュレーターなどの革新的技術を創出して参りました。
KEKは、次の100年の物質・生命科学を日本が先導するという目的に必須の研究インフラとして、放射光マルチビーム実験施設 Photon Factory Hybrid Light Source(PF-HLS)の計画を推進することを決めました。この施設は、放射光のあらゆる性能を統合的に活用するという挑戦的なものです。是非ともこれを実現して、物質・生命の機能の根源を解明するという研究者の夢を探求し、またその応用として持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。
ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
2023年9月
高エネルギー加速器研究機構長 山内 正則