概要
高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所では、素粒子物理学、原子核物理学、宇宙物理学といった、極微な世界から広大な宇宙までの幅広い分野に対して、理論及び実験の両側面からの総合的研究を行っています。
国内では、つくばキャンパス、東海キャンパス、和光原子科学センターの3つのキャンパスを拠点に、理論と実験の両面から物質を構成する素粒子や原子核、さらにそれらに働く力の性質を明らかにすることで、我々の世界を構築している法則はどんなものか、宇宙はどうやってできたのか、なぜ我々は存在できるのか、などの「根源的な謎」の解明に挑んでいます。また、各種実験を支える先端測定機器の技術開発も行っています。
また、国外でも欧州原子核研究機構(CERN)をはじめとした海外の研究機関やチリのアタカマ高地といった研究サイトにおいて研究活動を実施しており、世界中の研究者と素粒子・原子核・宇宙の謎に挑んでいます。
研究拠点
つくばキャンパス ( 茨城県つくば市)
素粒子論、原子核理論、宇宙物理学理論を網羅した世界屈指の理論センターを設置しています。 B中間子研究のための Belle II 実験施設では、SuperKEKB 加速器を使って宇宙初期の様子を再現し、これまでにない大量のデータを高い精度で測定することで、新しい物理法則の発見を目指しています。
東海キャンパス ( 茨城県東海村)
大強度陽子加速器J-PARCを利用した実験施設が多数あります。 ニュートリノ研究のためのT2K実験施設は、295km離れたスーパーカミオカンデまでニュートリノビームを飛ばし、ニュートリノ振動現象の精密測定を行っています。 ハドロン実験施設では多彩なハドロンビームを使って原子核内部の構造を調べる実験やK中間子の崩壊を精密に測る実験、物質・生命科学実験施設ではミュー粒子を使った精密測定といった、多岐に実験を展開することで、未知の自然法則のヒントを探しています。
和光原子核科学センター ( 埼玉県和光市)
2015年度に理化学研究所内に発足した同センターでは、共同利用装置である元素選択型分離装置KISSの運転とともに、この装置を用いた中性子が過剰な重い短寿命原子核の性質を調べることで、宇宙初期の元素合成の仕組みの解明を目指しています。また、短寿命原子核を利用した応用研究も行っています。
組織
所長
- 齊藤 直人
副所長
- 宇野 彰二
- 小松原 健
- 花垣 和則
事務室
- 029-864-5324
- 029-864-2580 (FAX)