活動報告

所要時間:約3分

エネルギーフロンティア(EF)グループが2022年4月の活動報告を行いました。EFグループは、目指している物理課題の近い素核研ATLAS グループとILC グループが合流して新しく発足したグループです。EFグループでは、人類未到のエネルギー領域で新物理を探索すべく、LHC/ATLAS実験において中核的や役割を担うとともに、ILCをはじめとする将来のEF実験に向けた物理と最先端の技術開発を推進します。その活動の中で、コミュニティーと連携しながら将来のEF実験を提案する要のグループになることを目指しています。

素核研EFグループの重要な研究のひとつは、スイス・ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で行われているATLAS実験です。世界最高の衝突エネルギーで陽子と陽子を衝突させ、その反応を観測することで、素粒子に質量を与えるヒッグス粒子の物理や新粒子の探索を行っています。2022年夏からはLHC実験がRun 3実験としてデータ収集を再開する予定です。ATLAS 検出器でも、内側のミュー粒子検出器や様々な検出機のエレクトロニクスの刷新作業を進めてきました。中でも素核研グループは、内部飛跡検出器のハードウェアやソフトウェアの更新やエンドキャップ部のミューオントリガーのエレクトロニクスの刷新を進めました。

Run 3実験を2025年まで続けた後は、LHC加速器の性能を大幅に改善した高輝度LHC (HL-LHC)実験が2029年から開始予定です。HL-LHC実験に向けた検出器改良も進行中で、素核研グループでは、内部飛跡検出器(ストリップ検出器、ピクセル検出器の両方)とエンドキャップ部のミューオントリガーの開発を主導しています。ストリップとピクセル検出器のセンサーは量産を開始しており、エンドキャップ部のミューオン検出器でも、集積回路素子の値段高騰や納期の長期化という問題を抱えつつも今のところ大きな遅延はなく量産を進めています。

素核研EFグループは、将来のEF実験として有力視されている国際リニアコライダー(ILC)における新物理発見能力の検討、測定器の設計、データ解析用ソフトウェアの開発を行っています。ILC計画は、全長約20kmの線型加速器で電子と陽電子を衝突エネルギー250 GeVで正面衝突させ、ヒッグス粒子を大量に生成します。そうしてヒッグス粒子と他の素粒子の間にはたらく力の強さ(ヒッグス結合定数)を精密測定し、標準理論を超える物理を解明することを目指します。2022年3月29日、30日のICFA会議において、ILC国際推進チーム(IDT)の継続が承認されました。

詳しくはこちらをどうぞ。

エネルギーフロンティアグループ

PDFが正しく表示されない場合はPDF下の画像をご覧下さい。

画像ファイル形式での表示はこちら。

前回の活動報告