新年度を迎え、素粒子原子核研究所(素核研)では宇野副所長の定年退職に伴い、新しく後田副所長を迎えた新体制で始動しています。
また、昨年度創設した「測定器開発センター」に三つのサポートグループ、メカニクス、クライオジェニクス、エレクトロニクスグループを組込み、より一体的に素核研全体の研究活動を支える体制を強化しています。
新体制のもと、機構内の連携はもとより、コミュニティーとの連携を加速して研究協力を推進していきます。
そして素核研の研究活動の三つの柱を、今年度も継続して推進します。
● 現行実験群から成果を創出する。
● 新しい研究提案を奨励し将来計画を策定する。
● 社会と成果を共有する。
今年は小林・益川理論の論文出版から50周年です。両博士のノーベル賞は出版から35年、ヒッグス博士らの受賞は49年という時を経て、ようやくもたらされています。サイエンスは人類の好奇心に導かれて、時代を超え、文明を超えて発展して来ました。そのどんな成果も一人の力で成し遂げられたものではなく、長い時間をかけて多くの人の力を合わせて磨かれてきた結果です。サイエンスは時空を超えた人類の壮大なコラボレーションなのです。このことから、サイエンスは一部を利する目的で使われたり、力で他人の意見を変える事に使われたりするのではなく、力を合わせて問題を解決する事に使われるべきことが自然に理解できるのではないでしょうか。
素核研は、今年度もより一層の成果を創出し、それを皆んなと分かち合う事で「あって良かった」と思ってもらえる研究所を目指します。
今後とも、皆様のご支援とご指導を賜りたく、お願い申し上げます。
令和5年5月吉日
素粒子原子核研究所 所長
齊藤 直人
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