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ようこそ素核研へ(9月と10月の素核研着任者挨拶)
2022年10月31日
令和4年9月にはニュートリノグループに阿久津 良介さんが助教として、10月にはBelleグループにプラーツ シリルさんが博士研究員として、ニュートリノグループに⾕川 輝(ひかる)さんが博士研究員として、ミューオン・中性子グループに上岡 修星(しゅうせい)さんが助教として、そして、エレクトロニクスシステムグループにライ ユンツンさんが助教として着任しました。
それぞれの着任の御挨拶をいただきましたので紹介します。
これからの素核研での活躍に期待します。
- ニュートリノグループ 助教 阿久津 良介さん
2022年9月に、ニュートリノグループの助教として着任しました、阿久津良介です。修士課程では、スーパーカミオカンデ・ガドリニウム(SK-Gd)実験のための硫酸ガドリニウム添加水中における光の散乱測定を行いました。博士課程では、T2K実験の後置検出器であるスーパーカミオカンデにて、データとシミュレーションに関する仕事を行い、水標的におけるニュートリノ反応に伴う中性子測定により学位を取得しました。学位取得後はポスドク研究員として、ハイパーカミオカンデ実験のための中間水チェレンコフ検出器建設計画に携わり、シミュレーションや光センサーモジュール開発を行いました。この検出器は、J-PARCで生成したニュートリノビームを用いたレプトンCP非対称の発見、そして続く精密測定にあたり中核的役割を果たします。今後は本検出器と関連実験施設の設計と建設の両方に携わり、2027年運転開始を実現できるよう取り組んでいきます
阿久津 良介
- Belleグループ 博士研究員 プラーツ シリルさん
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPRF)で2018年に修士号を取得したのち、ドイツ電子シンクロトロン研究(DESY)の博士課程学生として、Belle IIコラボレーションに加入し、B中間子のK中間子とニュートリノ対への崩壊を探索する研究を行ってきました。KEKに博士研究員として加わり、B中間子稀崩壊探索への機械学習の適用と、中央ドリフトチェンバーのソフトウェア開発の仕事を行います。フレーバーの物理をよりよく理解するためのこの国際研究に参加する機会が得られたことに、本当に感謝しています。
プラーツ シリル
- ニュートリノグループ 博士研究員 ⾕川 輝(ひかる)さん
10月にニュートリノグループの博士研究員として着任した谷川輝です。
生まれは福岡ですが、幼少時に転々としたため九州出身とぼかすことが多いです。
修士課程では、Belle II実験のコミッショニング期において、高輝度化のために不可欠であるトリガー頻度調整ファームウェアの開発やビームバックグラウンド研究を行いました。
博士課程では、Belle II実験で取得したデータを用いてB0→KS0KS0KS0崩壊過程の時間依存CP非対称度を測定し、9月に学位を取得しました。
今後は、T2K実験の新型前置検出器SuperFGDの組み立てを現地で主導し、来年のビームデータの取得を実現するとともに、新しい検出器の性能を最大化するような解析手法の開発に取り組みたいと思います。
谷川 輝
- ミューオン・中性子グループ 助教 上岡 修星(しゅうせい)さん
こんにちは。このたび着任いたしました上岡 修星です。
修士・博士課程では高フィネスの光共振器とパルス磁石を使って真空複屈折の探索を行いました。昨年度から学振PDとしてg-2/EDM実験に参加してミューオン源やレーザーの開発を行っています。これからはそれらの開発に加え、2027年のデータ測定開始に向けて実験全体を牽引する役割を担えるように取り組みたいと思います。
よろしくおねがいします。
上岡 修星
- エレクトロニクスシステムグループ 助教 ライ ユンツンさん
私はアカデミックキャリアの次のステップとしてエレクトロニクスシステムグループに加わることができて大変に嬉しく思います。国立台湾大学(NTU)で博士号を取得し、NTU、KEK、カブリ数物連携宇宙研究機構でポスドクとして働きました。BelleでのB/D崩壊の探索、Belle IIのレベル-1・トリガー、アエロジェルRICH測定器やDAQシステムのソフトウェアやFPGAファームウェアの開発に従事してきました。
将来的には、コライダーエレクトロニクスフォーラムの一員として、トリガー/DAQシステムの研究開発を行う予定です。様々なグループの専門家と一緒に仕事ができることを楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ライ ユンツン