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高校生のための素粒子サイエンスキャンプ Belle Plus 2023 開催しました

2023年8月1日〜4日の日程で、高校生のための素粒子サイエンスキャンプ「Belle Plus(ベル・プリュス)2023」がKEKつくばキャンパスで開催されました。今年は例年の倍近い応募がありました。

Belle Plus とは、高校生の皆さんに、KEKで行われていたBelle実験を体験してもらうことを目的に、2006年から毎年実施している宿泊体験型スクールです。今年度は奈良女子大学理学部との共催で実施しました。
Belle実験は、小林誠・益川敏英両博士の2008年のノーベル物理学賞受賞に貢献しました。現在はBelle実験のデータ解析も行いつつ、KEKB加速器とBelle実験をアップグレードしたBelle II実験が行われています。

Belle Plusでは現役のBelle/Belle II実験グループの研究者による講義や施設見学に加え、四つのコースに分かれた実習が行われました。それぞれのコースはBelle/Belle IIの実験データの中から粒子を探索する「B-Lab」班、宇宙線(ミュー粒子)の速度を測定する「宇宙線速度測定」班、自作したワイヤーチェンバーという粒子検出器を用いて宇宙線の降り注ぐ角度を測定する「ワイヤーチェンバー」班、Belle実験で観測可能な現象を理論的に研究する「理論」班です。

今年はイギリス・香港など海外の学校に通う高校生や、宮崎・山形・東京など 12都道府県から高校生が集まりました。実習の時間には参加者は皆熱心に手を動かし、活発に仲間や講師と議論を交わしていました。

参加者からの感想を一部紹介します。

「宇宙線というものをこれまで意識したことがなかったが、目には見えないだけで非常に近くに存在するということが実感できた。また、そのような身近なものであるにもかかわらず、非常にスケールの大きい『宇宙』につながっていることに感動した」(高2男子、東京)
「これまで、学校の同級生の中には素粒子について理解してくれる人がいなかったけれど、今回のキャンプに参加して、同じ興味を持つ友達がたくさんできたのが一番うれしかった」(高2男子、山形)
「キャンプ期間中、研究者や大学院生から、実際にどのような形で実験や研究に関わっているのかを聞く機会が多くあり、自分の将来を考える中でとても参考になった」(高3女子、香港)

 

校長の中山 浩幸(なかやま ひろゆき)素核研准教授は、「今年の高校生たちも、積極的に実習課題に取り組み、お互いに助け合いながら意見を出し合っている様子が頼もしかったです。最終日の研究発表では、他の班の発表に対して生徒たちからの質問が次々と出てくる光景が、特に印象的でした」と4日間を振り返りました。

 

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