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2015年02月19日(木)から2015年02月21日(土)の3日間、KEK小林ホールで第4回UTQuest研究会 -Bモード宇宙論- が開催され、約50名が参加しました。 本研究会では理論家と実験家が一同に介し、現在渦中にある宇宙背景放射偏光Bモードの宇宙論についての総括と今後の方向性について議論しました。

宇宙背景放射偏光Bモード探索の現状

インフレーションが作った始原的な重力波は「偏光Bモード」と呼ばれる宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光パターンを作ります。 そのため、CMBのゆらぎに現れる偏光Bモードを捉えることはインフレーション理論の検証になります。

2013年3月にBICEP2実験グループが、CMB偏光Bモードを捉え、インフレーション起源の重力波を始めて検出したと報じました。しかし、2014年9月にPlanck衛星実験グループが、その結果は我々の銀河内の塵によるノイズである可能性を指摘しました。 そして、遂に2015年2月にBICEP2/Keck Array実験グループとPlanck衛星実験グループの共同解析(BKP)が発表され、BICEP2実験が捉えた偏光Bモードは銀河内の塵によるノイズであることが証明されました。

Planck衛星実験単独の偏光Bモードの結果はまだ報告されていません。偏光Bモード以外の結果は、この研究会の一週間前に発表され、宇宙論のパラメーターを驚く精度で決めた内容が報告されました。

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