5年間の大改造工事を終えた電子・陽電子衝突型加速器SuperKEKBは、このたびその試験運転を開始し、その重要な第一ステップである、直径1kmの電子リングおよび陽電子リングでのビーム周回・蓄積に成功しました。
2010年後半より高度化改造を行ってきた電子・陽電子衝突型加速器SuperKEKB加速器の試験運転を2016年2月1日より開始。 電子と陽電子をそれぞれを蓄積して衝突させる二つの円形加速器 (リング、周長3km) の調整を進め、2月10日に陽電子リング、続いて2月26日に電子リングにおいて、改造後初めて、継続してビームを周回させること、すなわちビームの蓄積に成功しました。 今後は、加速器の調整を続けた後、アップグレードされた Belle II 測定器および新しい超伝導収束電磁石を衝突点に配置して、電子・陽電子ビームの衝突実験に向けた衝突調整を実施します。
SuperKEKB加速器は、世界でまだ実用化されていない「ナノビーム大角度交差衝突方式」を採用し、衝突点におけるビームサイズを前身のKEKB加速器の1/20に絞り込むとともに、蓄積ビーム電流をKEKB加速器の2倍に高めて、KEKB加速器の40倍の衝突性能を実現。 KEKB加速器の数十倍の物理実験データを蓄積することにより、宇宙の発展過程で消えた反物質の謎に迫り、新しい物理法則の発見を目指します。
詳細はKEKプレスリリースをご覧ください。