7月2日 (土) に、つくばエキスポセンターにて、七夕講演会2016「夜空のムコウ - 重力波ってなに? -」を開催。 小中学生を中心に66名が参加しました。
今回の講演会では、素核研の宇宙論グループの郡和範准教授が「宇宙からやってくる重力波」、CMBグループの総研大博士課程2年の高取沙悠理さんが「宇宙が生まれた時の重力波をとらえる」と題し、最近、その発見が話題となった重力波に関する内容のお話をしました。
「宇宙からやってくる重力波」:郡和範准教授
郡准教授は、重力波は「時空を伝わるさざなみ」であると解説し、その2つの起源について紹介。 1つ目は、質量の重たい連星が衝突して1つの星に合体するときです。 今年の2月にアメリカのLIGOチームが、ブラックホールの連星が衝突して1つのブラックホールになったときに放出された重力波を世界で初めて検出したことでも話題になりました。 郡氏は、ブラックホールが合体する様子と重力波が放出される様子を再現したCG動画を使って分かりやすく解説しました。
2つ目は宇宙初期の作られた重力波です。 宇宙初期にはインフレーションと呼ばれる時空の急膨張が起きたと予想され、その時に発生する重力波を原始重力波と呼びます。 原始重力波の量は少ないですが、現在の宇宙にも満ち満ちているという話をしました。
「宇宙が生まれた時の重力波をとらえる」:高取沙悠理さん
高取氏は、LIGOチームの重力波の観測成功により、宇宙初期に作られた原始重力波の観測にも大きな期待がかかっていることを紹介。
その鍵となる宇宙最古の光「宇宙マイクロ波背景放射 (CMB)」について解説しました。
また、CMBの精密観測を行うことで宇宙のはじまりの謎の解明に挑戦している
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全国同時七夕講演会について
全国同時七夕講演会は日本天文学会主催の七夕イベントで、7月7日の七夕の日や、8月20日の伝統的七夕の日を中心とし、その前後の期間にわたり、全国各地で同時に天文や宇宙の講演会を実施しています。
本講演会も全国同時七夕講演会のひとつで、素核研は2009年から毎年開催しています。皆さんも最寄りの講演会場に足を運び、一緒に七夕講演会を楽しんではいかがでしょうか。