2018年12月17日-20日の間、KEK Theory Workshop (KEK-TH) 2018がKEKつくばキャンパスで開催されました。KEK-THは毎年行われている弦理論と場の理論に関する国際的な研究会で、今回は招待講演者の内2名が海外から出席しました。
今年のKEK-THには、中国、タイ、韓国、英国、インド、フランスといった海外からの参加者を含む100名程が参加しました。
KEK-THでは、私達の住む世界を形作っている素粒子をどのように記述するか活発に議論されました。例えば、京都産業大学の九後太一教授は、宇宙空間が加速膨張していることを説明するために必要な定数が、なぜ非常に小さいのかという問題を解く手掛かりとなる話を議論しました。また、京都大学の川合光教授は、宇宙が1つではなく無数にあると仮定し、それぞれの宇宙がワームホールという細い管のような時空の抜け道で繋がっていると考えると、どのようなことが起こるか議論し、私達の住む宇宙の理解に迫りました。研究会後半では、物性物理学や統計力学など、幅広い分野にまたがった議論がなされました。
招待講演の他にポスター発表や10分程の短い講演の時間も設けられ、そこでは多くの大学院生やポスドクといった若手研究者が発表しました。特にこの時間には、発表者の研究成果を通じて世代を超えた有意義な交流がなされていました。