2019年10月6日から8日にかけて、Open-It 物理計測技術若手研究会 2019 が長野県飯田市にある産業振興と人材育成の拠点 エス・バードにて開催されました。
Open-Itとは、KEK素粒子原子核研究所エレクトロニクスシステムグループが立ち上げたネットワークです。デバイスやシステムの開発に加え、若手を育成し先端技術の専門家を増やすことを目的として教育プログラム、連携開発プログラム、交流プログラムの3つを中心に活動しています。Open-ItはKEKの他に、京都大学、東京大学宇宙線研究所、名古屋大学、東北大学といった全国の様々な大学・研究機関が共同で運営しています。
Open-It 物理計測技術 若手の会はOpen-Itの内部組織です。若手主導で日本の物理実験用計測技術を世界最先端とすることを目標に、全国の物理実験用測定器等を開発している若手研究者・技術者間で最新技術に関する詳細な話題や経験などを共有し、互いの技術向上を図っています。
主な活動の一つとして、2011年から毎年若手研究会を実施しており、今年は全国から21名の若手研究者や技術者が集まりました。参加者の専門は、宇宙線検出器や集積回路の基板への実装技術、X線観測衛星用の検出器など多岐に渡り、みな講演では自身の研究・開発内容に加えて研究・開発中の失敗談なども紹介しました。講演の中では、もう一度同じ回路を作成するなら過去の経験を糧にどのように改善するかといった質問や現在勉強中の技術に関する質問などがあがり、互いに必要な知識と経験を補い合うように議論が盛り上がっていました。