2022年2月22日(火)から3月12日(土)にかけて、延期していた第15回サマーチャレンジの演習を開催しました。演習は感染症対策を講じ、一期間あたりの参加人数を分散した上で班ごとに実施しました。講義と施設見学ツアー、キャリアビルディングなどはオンラインで2021年8月に実施しました(第15回サマーチャレンジ 一部プログラムをオンライン開催 )。
演習課題は10種あり、参加者は、数個程度の光子を捉えて光が持つ粒子の性質を確かめる実験や、加速空洞と呼ばれる加速器の部品を設計したり測定を行ったりすることで、加速器の仕組みについての理解を深める実験などのいずれか1つに取り組みました。各演習はテーマの選定、準備から演習中の指導まで、KEK以外にも東北大学、筑波大学、東京都立大学、東京工業大学、お茶の水女子大学、国際基督教大学、金沢大学、岐阜大学、名古屋大学、奈良女子大学、大阪大学、神戸大学など多くの大学のスタッフやTAによる協力で成り立っています。
電子回路を使った演習を行う班では、参加者は皆最初にはんだごてを使って自分達で回路を組み、その回路を実際に使用して測定しました。一方、KEKにある実験装置を自分達で操作して測定を行う班もありました。どの演習も、大学の授業ではなかなか体験する機会の少ない実験です。
今年は感染症対策の都合上制限もありましたが、初めて信号を検出できた時に参加者・スタッフ一丸となって喜び拍手が沸き起こる様子や、真剣に議論する姿、マスクをしていても十分わかるほど笑顔で楽しそうに測定する姿は、例年と変わらないサマーチャレンジの景色でした。
最終日はオンライン発表会がありました。全員帰宅した上で、それぞれの自宅から実験結果や考察を発表しました。
演習終了後には、第15回校長の西田昌平 准教授(素粒子原子核研究所)、または副校長の西口創 准教授(素粒子原子核研究所)から、参加者一人一人へ修了証書(未来の博士号)が手渡されました。参加者は5日間を振り返り、「あっという間の5日間でした。楽しくて1日が過ぎるのが早く感じました。」、「このような時期なので開催されるか不安でしたが、サマーチャレンジを通して知識を得られただけではなく、同じ志の人達と交流できて、良い経験になりました。」、「教科書で習った事柄がどのように生かされているかを実感できる貴重な機会でした。」などと感想を聞かせてくれました。
西田校長は「コロナ感染症の状況下ではありましたが、延期になっていた対面での演習をなんとか春に実施できてうれしく思います。参加者の皆さんには、今回の経験を今後少しでも生かしていただければ幸いです。」とコメントしました。
第16回の参加申込要領は4月中旬頃 サマーチャレンジHPに掲載予定です。
第15回サマーチャレンジの様子についてはサマーチャレンジtwitterもご覧下さい。