東海村のJ-PARC (大強度陽子加速器施設) のハドロン実験施設で、世界最強のK中間子ビームを生成するための一次陽子ビーム輸送、ビーム光学や二次粒子生成標的システムの研究開発を行うグループが、6月の活動報告を行いました。
J-PARCでは、大強度の陽子加速器(MR)で、300億電子ボルト(30GeV) のエネルギーまで加速した陽子を、「りんごの皮むき」のように少しずつ取り出して生成標的に衝突させ、クォークが強い力で結びつく “ハドロン” と呼ばれる粒子を生成。とくに世界最高強度のK中間子ビームを作り出し、さまざまな実験を行うことで、素粒子・原子核物理学の研究を展開しています。
報告書では、当面の目標だった常時50kWのビーム運転が2018年1月から2月にかけてのビームタイムで実現し、この間のビーム利用率が93%、ビーム積算が総計1MW*日を達成したことを報告しています。また、将来のCOMET実験に不可欠な8GeVの陽子パルスビームの加速器からの取り出しと、ハドロン施設までの輸送に今回初めて成功したことにも触れています。
また、High-p/COMETビームラインでの実験を行うため、ハドロンホール南側で実施されている建設工事の状況や、3月下旬に開催されたハドロンホールの拡張計画を議論する国際ワークショップの概要についても報告しています。
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