Belle / Belle II実験は、KEKつくばキャンパスの加速器を用いて電子と陽電子を衝突させ、大量のB中間子・反B中間子対を生成し、宇宙初期の謎の解明を目指す実験です。Belle実験のデータ収集は2010年に終了しましたが、新たな発見に向けたデータ解析は現在も続いています。現在はBelle実験をアップグレードしたBelle II実験が行われています。Belle II実験では加速器や測定器を大幅に改良し、標準理論では説明できない新粒子や現象の発見や消えた反物質の謎など、まだ見ぬ新物理の解明を目指しています。
Belle II実験は、すべての検出器をインストールした上で、物理測定のためにデータを取得するPhase3運転を2019年3月に開始しました。Belle実験の40倍のルミノシティ(ビーム中の粒子同士の衝突頻度)と50倍のデータ量の達成を目指し、現在初期段階としての運転調整を進めています。
現在までのPhase3運転で収集されたデータから、Belle実験時代に発見したB中間子崩壊に関する種々の現象が再発見されました。さらに、Belle II 測定器を組み込み電子と陽電子の「初衝突」を観測したPhase2運転で収集されたデータから、標準理論を構成する粒子と暗黒物質をつなぐ役割を担う未知の素粒子「Z’ボゾン」を探索した最新の成果が発表されました( https://www.kek.jp/ja/newsroom/2020/04/07/0000/ )。
現在、新型コロナウイルスの影響が世界中の研究機関にも及んでいますが、Belle IIの2020年の運転は、研究者の移動を抑制しつつ、長期滞在中の共同研究者とKEK のスタッフに加え、世界のどこかからインターネットで接続する研究者によるシフト体制をとることで、感染症に注意しながら進められています。
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Belleグループ
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