活動報告

所要時間:約2分

素核研ミューオングループが、2020年5月の活動報告を行いました。

標準理論の枠内で起こる通常のミューオンの崩壊とは異なり、標準理論を超えたSUSY粒子のような未知の素粒子が存在すると、ミューオンがガンマ線を放出しながら電子に崩壊するような反応(μ→eγ)やミューオンがニュートリノを出さずに電子に転換する事象(ミューオン電子(μ-e)転換事象)が起こるかもしれません。素核研ミューオングループでは、このようなミューオンの稀な反応を調べてレプトン世代数の保存が破れている現象(Lepton-Flavor Violation:LFV)を探索しています。ミューオングループではMEG II実験、COMET実験に取り組んでおり、近年は特にCOMET実験を精力的に推進しています。

COMET実験は2段階に分けて実施予定で、ミューオンを輸送する超伝導電磁石のうち最初の90度の折曲がりまでを建設して物理計測を行うPhase I と、電磁石を延長して物理感度を上げるPhase IIを計画しています。現在は、KEK低温センター、素核研低温グループと共に長大な超電導ソレノイド磁石の準備を進めています。また、大阪大学とKEKミューオングループが中心となって開発・製作を進めていたCDC検出器は現在KEKつくばキャンパスにて調整作業が行われており、データ収集用ソフトウェア等の開発も進んでいます。

COMET実験では、ミューオンの稀な反応を捉えるために広い運動量範囲に渡るミューオンを使用してより多くのミューオンを集める必要があります。そこで、物理計測用の検出器に加えて、広いエネルギー範囲に広がるミューオンビームを計測するための検出器群も、九州大学グループ、JINRグループと協力して準備を進めています。

この他にも、信号の検出感度を向上するために、主に宇宙線由来の背景事象を同定するためのGRPC検出器開発をフランスIN2P3に所属するLPCグループと共同で開始しました。

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ミューオングループ

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