クライオジェニックスグループが2020年9月の活動報告を行いました。
クライオジェニックスグループは、Belleソレノイドをはじめとする超伝導電磁石や液化アルゴン・キセノン検出器など、粒子検出器で利用される極低温機器の開発や運転を行っています。マイナス272度以下の超低温冷却を必要とする超低速中性子源(UCN)やハイパー原子核を生成する液体水素ターゲットなどの技術的な支援もしています。
今回の活動報告でも引き続き、Belle II検出器の最深部にあるピクセル検出器(PXD)とシリコンストリップ検出器(SVD)を効率よく冷却するためのCO2冷却設備(IBBelle)の保守運用について報告されています。前回からの主な進展として、従来はBelle II測定器の電源等と共用していた計装空気圧縮機と冷却水循環装置を新設しました。これにより、IBBelleに適した設定が可能になりました。さらに、IBBelle監視用のソフトウェアもアップデートし、IBBelleの信頼性が向上しました。
UCN実験に使用する新たなヘリウム冷凍機は、前回の活動報告で開発中と報告していましたが、性能評価試験を合格した熱交換器が組み込まれて富士実験棟に搬入されました。現在は最低温端の熱交換器の製作を進めており、冷凍機に組込んで性能評価をする予定です。さらに、超流動ヘリウム漏れの有無のチェックなど、UCN生成部の要素試験も開始しました。
J-PARCで進めているCOMET Phase1実験用の超伝導電磁石システムの建設状況としては、2019年度に10個の超伝導コイルの巻き線が完了し、鍛造アルミ製サポートシェル部品を製作しました。今年度は、両者をはめ合わせるとともに断熱構造(クライオスタット)の製作準備をしています。
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クライオジェニックスグループ
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