活動報告

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一次陽子ビームグループが2020年9月の活動報告を行いました。

一次陽子ビームグループはJ-PARC(大強度陽子加速器施設)にあるハドロン実験施設の建設・運営・機能強化の中心を担っているグループです。J-PARCではリニアック、3GeVシンクロトロンの2つの加速器を経て加速した陽子をさらに主リングで30GeVまで加速します。加速された陽子は遅い取り出しビーム(注)としてハドロン実験施設に取り出され、二次粒子生成標的に照射されます。そこで生じたパイ中間子やK中間子が複数のビームラインに導かれて、様々な実験が行われています。

ハドロン実験施設では2020年5月から6月にかけてビーム運転を実施し、E40実験のデータ取得を終了し、E16実験を開始しました。さらに、E03実験とT77実験の一部を実施しました。

2019年11月に設置した陽子ビーム強度約95kWに対応した新しい生成標的(金)は、今回のビーム運転で初めてビームを用いたコミッショニング(機能や動作等の確認調整作業)を実施し、問題ないことが確認されました。

建設が進められてきたBライン(高運動量(high-p)ビームライン)に関してもビームコミッショニングを行いました。

6月24日には放射性同位元素等の規制に関する法律に基づいた第三者機関による施設検査に合格し、ビームの利用運転を開始しました。

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一次陽子ビームグループ

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(注)遅い取り出しビーム:
J-PARC主リングで作られるビームには、遅い取り出しビームと速い取り出しビームの2種類があります。速い取り出しビームは、加速された陽子が主リングを一周する間(約5マイクロ秒)にそれらを一度で全て取り出してしまうビームです。一方遅い取り出しビームは、加速された陽子を、主リングを何周も周る間に約2秒の時間をかけて少しずつ取り出すビームです。

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