Belleグループが2021年10月の活動報告を行いました。Belle / Belle II実験は、KEKつくばキャンパスのKEKB / SuperKEKB加速器を用いて電子と陽電子を衝突させ、大量のB中間子・反B中間子対を生成しその崩壊を調べることで、宇宙初期の謎の解明を目指す実験です。Belle実験のデータ収集は2010年に終了しましたが、新たな発見に向けたデータ解析は現在も続いています。現在はBelle実験をアップグレードしたBelle II実験が行われています。Belle II実験では加速器や測定器を大幅に改良し、標準理論では説明できない新粒子の鍵となる現象や消えた反物質の謎を解明する手がかりなど、まだ見ぬ新しい物理現象を探しています。
Belle II実験では、高いルミノシティでの加速器運転に向けて、2020年12月から2021年2月の加速器シャットダウン中に様々な改良を重ねてきました。その結果、2021年6月22日に、これまでの記録を塗り替えるピークルミノシティ3.12×1034 /cm2/sを達成しました。このコロナ禍において、実験が行われているKEKに滞在できる人数は限られましたが、リモート主体の運転体制で感染防止にできる限りの対策を講じながら、加速器の運転を続けることができました。
Belle II実験データの解析状況に関しては、検出が非常に難しいB+→K+νν崩壊を捉えるための新しい手法を確立しました。その結果はBelle II 実験最初のB 中間子崩壊の物理の論文としてPhysical Review Letter誌に掲載予定です。他にも、Belle II実験データでD中間子の寿命を精密測定したところ、世界最高精度で測定することに成功しました。こちらも10月20日にPhysical Review Letter誌に掲載予定になりました。
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Belleグループ
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