クライオジェニックスグループが2022年1月の活動報告を行いました。クライオジェニックスグループは、Belleソレノイドをはじめとする超伝導電磁石や液化アルゴン・キセノン検出器など、粒子検出器で利用される極低温機器の開発支援や運転を行っています。マイナス272度以下の超低温冷却を必要とする超低速中性子源(UCN)やハイパー原子核を生成する液体水素ターゲットなどへの技術的な支援もしています。
大強度陽子加速器施設(J-PARC)では低温セクションとして活動していますが、現在、COMET実験向けの超伝導磁石システムの開発を進めています。このうち輸送ソレノイドという電磁石の湾曲部とヘリウム液化冷凍機、及び両者を接続するトランスファーチューブ(液体ヘリウムを輸送するためのチューブ)はハドロン南実験棟に設置され、2022年度前半の冷却励磁運転に向けて整備を続けています。同時に、2021年にはトランスファーチューブの冷凍機側端を構成する電流導入部(電流リードボックス)の冷却・通電試験も行い、性能に問題がないことを確認しました。電流リードは極低温まで冷えた電磁石へ熱を伝えずに電流だけを流すことができる装置で、今回使用するものは従来の蒸発ヘリウムガス冷却とは異なり小型冷凍機による熱伝導冷却することが特徴です。この方式により、冷却用の液体ヘリウムは全て超伝導コイルの冷却に使用することができます。
他にも、スイスのLHC/CERNが第三期実験期間(Run3)に向け実施している設備の更新の一環として、ATLAS超伝導ソレノイドの計測・制御機器の更新とコイルの冷却を自然循環(サーモサイフォン)冷却という方式に切り替える作業の支援をしました。
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クライオジェニックスグループ
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