Belle II実験で用いられる最先端のテクノロジー
Belle II 実験では、最先端技術を詰め込んだ巨大な測定器(縦・横・高さ8メートル)を用いて、電子ビームと陽電子ビームの衝突によって生み出されるさまざまな素粒子をとらえます。
7種類の素粒子センサー
Belle II 測定器には、それぞれ役割の異なる7種類のセンサーが組み込まれています。
- ・ビーム衝突で生成した重い粒子が「崩壊した場所」をシリコン半導体の薄板で精密測定する、2種類の崩壊点検出器
- ・崩壊した粒子から出てくる様々な素粒子の「運動量」を約1万本のワイヤーで測定するドリフトチェンバー
- ・素粒子の「種類」を粒子から出る光のパターンから判別する、2種類の粒子識別装置
- ・素粒子の「エネルギー」を測定するための電磁カロリメータ
- ・素粒子の「貫通力」を調べるため、鉄板とセンサーを何層にも重ねたKLM検出器
これらのセンサーは全てBelle II 実験のために特別に開発された一点モノで、日本の浜松ホトニクスによる光センサーなど、世界中の最先端技術が活用されています。 全てのセンサーから得られるデータを計算機上で統合することで、デジカメで撮影するように素粒子反応の全体像を記録できます。
崩壊点検出器:ピクセル検出器(PXD)
崩壊点検出器PXDのセンサー部
崩壊点検出器:シリコン・バーテックス検出器(SVD)
もう一つの崩壊点検出器、SVDを組み立てる作業
ドリフトチェンバー:中央飛跡検出器(CDC)
ドリフトチェンバーCDCのワイヤーを張る作業
粒子識別検出器:TOPカウンター
粒子識別装置TOPで用いるクォーツに当てたレーザー光が全反射を繰り返す様子
粒子識別検出器:ARICH
粒子識別装置ARICHで用いる光センサーの試験の様子
エレクトロニクス
センサーからの信号を処理するエレクトロニクス
イベントディスプレイ
計算機上で処理すると、素粒子反応はこのように見える(これはシミュレーション)。
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