小さな素粒子・大きな宇宙
この画像(ウロボロスの蛇)には、頭に近いほど大きなモノ(地球→星→宇宙)しっぽに近いほど小さなモノ(細胞→原子→素粒子)が書いてあります。 頭がしっぽをパクッと食べている様子が、宇宙と素粒子の研究が密接にかかわっていることを表しています。
素粒子は、世の中で一番小さなモノ・それ以上細かく分けられない(と現時点で考えられている)モノです。 その小さな素粒子を研究するため、研究者は全長何キロにも及ぶ巨大な加速器を建設します。 そして、加速器を使った研究が、広大な宇宙の誕生の謎を解明するカギになっているのです。
素粒子・加速器・宇宙。全く異なるスケール(大きさ)のモノがこうやって関係しているのって、ちょっと不思議ですよね。
消えた反物質の謎
宇宙の始まり、ビッグバン。そのとき物質と反物質は同じだけ生まれたと考えられています。 しかし、現在の宇宙では物質だけが残り、ほとんどの反物質は消えてしまいました。 なぜこんなことが起こったのでしょうか。その謎を解く手がかりは、 「CP対称性の破れ」と呼ばれる、物質と反物質に働く物理法則のわずかな違いにあります。
Belle II実験では、「B中間子」とよばれる自然界には存在しない素粒子を 人工的に大量に作り出し、詳しく観測することで、消えた反物質の謎に迫ります。
暗黒物質(ダークマター)
暗黒物質(ダークマター)は、宇宙空間に存在することはわかっているが、その正体がわからない謎の物質です。 「暗黒」というと何となく邪悪なイメージを持たれるかもしれませんが、もともとは「暗すぎて観測できない(dark)」という意味からダークマターと名づけられました。 Belle II実験のデータを使った精密な測定によって、素粒子反応のわずかな「ずれ」が観測できれば、 暗黒物質の候補となる未知の粒子についての手がかりが得られるかもしれません。
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