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   image 新たな名前で再開    2003.4.24
 
〜 K2K-II実験開始記念式 〜
 
K2K実験は、これまでにお話したようにKEKの加速器で人工的に作り出したニュートリノを、岐阜県神岡にある東京大学宇宙線研究所の巨大検出装置、スーパーカミオカンデを用いて観測し、ニュートリノ振動を調べる実験です。2001年11月に起きたスーパーカミオカンデの事故で中断していた実験が、昨年12月に再開されたことは、既にご紹介しました。この再開実験はこれからK2K-IIと呼ぶことになりました。研究者がスーパーカミオカンデのことを、事故以前についてはスーパーカミオカンデ−I、事故より後はスーパーカミオカンデ−IIと呼んでいるのでそれに合わせたのです。このことを記念して、4月19日(土)にKEKと東京大学宇宙線研究所の共催で「K2K-II実験開始記念式」が行われました。

記念式には、ゲストとして2002年のノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊東京大学名誉教授と、米国からJ.H. マーバーガー大統領補佐官(科学担当)にご出席いただきました。マーバーガーさんは、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校学長やブルックヘブン国立研究所長を務められた方で、K2K実験にニューヨーク州立大学のグループが参加していることから、この実験に大変興味をお持ちで、4月21日(月)に東京で開催された「日米科学技術協力協定に基づく合同高級委員会」に出席するため来日された機会にKEK訪問が実現しました。

記念式に先立ち、KEKの戸塚機構長、小林素粒子原子核研究所長、小間物質構造科学研究所長らの案内で、マーバーガーさんと随行者一行、文部科学省の丸山審議官、石井量子放射線研究課長及び吉村東大宇宙線研究所長がK2K実験のニュートリノビームラインと前置検出器、ATF(先端加速器試験装置)、およびBファクトリー実験施設を視察しました。

K2K-II実験開始記念式は、K2K実験グループなど約60名が参加し、新築されたばかりの国際交流センターで行われました。まず戸塚機構長と吉村宇宙線研究所長が式辞を述べ、続いてK2K実験の報告を実験責任者の西川京都大学教授が行いました。そして、小柴先生とマーバーガーさんに来賓祝辞をいただいて式は終了し、その後レセプションが行われました。

マーバーガーさんは科学担当の大統領補佐官として、米国の科学政策の展開に大きな役割を果たしている方です。昼食時、マーバーガーさんが次世代の加速器計画としてアメリカはリニアコライダーを推進したいとはっきり表明したことは関係者から大変注目を集めています。

なお、マーバーガーさん一行は、K2K-II実験開始記念式の翌日、4月20日に神岡を訪問して、K2K実験でニュートリノを受ける側のスーパーカミオカンデと、小柴先生がノーベル賞受賞の業績を上げられたカミオカンデの跡地に建設されたカムランドを視察されました。


※もっと詳しい情報をお知りになりたい方へ

→K2K つくば−神岡間 長基線ニュートリノ振動実験
    公式ホームページ
http://neutrino.kek.jp/index-j.html
→キッズサイエンティスト:クローズアップKEK
      :K2K実験
http://www.kek.jp/kids/closeup/k2k/index.html

→関連記事
    スーパーカミオカンデ〜事故からの再生〜
    K2K実験〜 国際会議で報告〜
    ニュートリノ実験再開

 
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[写真1]
出迎えた戸塚機構長(右)と握手するマーバーガー大統領補佐官。
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[写真2]
ニュートリノビームラインを視察する一行。前列中央に戸塚機構長、その左がマーバーガー大統領補佐官。
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[写真3]
K2K実験の展示室で20インチ光電子増倍管の前で記念撮影。
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[写真4]
式の前に国際交流センターの前で記念撮影
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[写真5]
祝辞を述べる小柴先生
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[写真6]
祝辞を述べるマーバーガー大統領補佐官
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[写真7]
昼食前の歓談風景。左から小柴先生、戸塚機構長、マーバーガー大統領補佐官、N.P. ニューライター国務長官科学技術顧問。
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