バリオンやメソンは全体として白色状態にあり、離れたところには、色力線をおよぼしませんが、バリオンやメソンの大きさ程度まで近づいてくると、それらを形作るクォークや反クォーク、また、グルーオンのもつカラーがちらりと見えてきます。そのため、バリオンやメソンの間には強い力が働きます。このように、全体として白色状態にあっても、互いに近づくと強い力をおよぼすような複合粒子をハドロンとよんでいます。
E = mc2
によって、エネルギーは質量と等価なので、内部運動のエネルギーの違いは、外から見ると、粒子の質量の違いとなって現れます。これが、20世紀後半の加速器実験の幕開けとともに、数百種類にも上る質量の異なるハドロンが発見された理由です。
当時は、3種類のクォークがあると考えられていましたが、たった3つのクォークの、バリオンあるいはメソンというたった2種類の構成によって、数百のハドロンを分類し、その性質を予測できることは、革命的な進展でした。 さて、それではハドロンの研究は終わったのでしょうか?先ほど3つのクォークが集まってできたバリオンとクォークと反クォークからできたメソンの説明をしましたが、白色状態はそれ以外にも作れそうです。とくにグルーオンを組み合わせてできるような粒子はないのでしょうか?