この事業(サマーチャレンジ)は、KEK一般寄附事業から支援を受けています

過去にサマーチャレンジで学んだ卒業生から、
皆様への熱いメッセージです。

筒泉 佳子さん 京都産業大学 理学部 (12期生)

わたしはサマチャレの12期生で、自分が1回生のときに、本プログラムに参加しました。 サマチャレ参加の時点で、大学で履修していたのは力学まででした。 それ以外の物理の知識は、ほとんど無かったので、1人で演習内容を理解するのは困難でした。(電磁気学、相対性理論、その他数学の知識なども足りていなかったです。) しかも、演習班は6人で、自分以外全員(当時)3回生。 そんな状況に最初は戸惑いました。 でも、周りのメンバーはみんな優しくて、実験をする上で、分からなかった理論などは丁寧に教えてくれました。 いつしか、「毎日毎晩班の仲間たちと討論するのが楽しくて仕方ない!」と思うようになっていました。 「サマチャレに参加したいが、参加対象学年に達していないから、参加しない方がいいのではないか…」と思ってるそこのあなた! 安心してください、追いついていない分の知識は、演習テーマに沿って埋め合わせることができます。(スケジュール的に、自由時間が多く、その時間に勉強することができます!) そして、サマチャレを通して得られるもは、知識だけではありません!物理の道を志す、ここでしか出会えない素晴らしい仲間達と出会えます。 彼らとの交流は、サマチャレが終わっても今もずっと続いています。 全員が全員、同じ分野に興味があるわけではなく、素粒子論に興味があったり、物性物理学に興味があったり、多種多様です。 物理が大好きな、様々な分野の人達が集まるので、色んなお話を聞くことが出来ます。 サマチャレへの参加は、「自分の人生の財産になった」とわたしは思っています。 少しでも、「モチベーションを上げたい」「人生に潤いが欲しい」と思っていらっしゃるならば、とりあえず応募してみませんか? 絶対に後悔させません!

 

花井 奏太さん 慶應義塾大学理工学部 (12期生)

サマチャレについて知ったきっかけは、当時の担任の先生からの宣伝だった。素粒子、原子核分野には以前から興味があったので、迷うことなく応募することにした。 結果的には友達と一緒になったが、応募時点では1人だったので不安もあったが、それよりも参加したい気持ちの方が大きかった。 不安が解消するのはそんなに長くはかからなかった。というのも、自分の演習班は、個性的なメンバーばかりで親しみやすかったからだ。演習で、分からないことを議論したり、お互い手伝ったりすることで、より一層親近感が増した。さらには金田さんはじめ、TAの方々も優しく頼りになる存在で、約2週間にわたる演習があっという間に感じた。ずっとこの交流を続けたいとも思った。 ここにはまだ書ききれないことがたくさんある。それくらいサマチャレは大学生活の中で、最も密度の高い経験だった。

 

佐藤 真奈美さん 千葉大学理学部 (12期生)

サマーチャレンジに参加するまで、私は、他大の人たちと共に進めていくプログラムに参加したことがありませんでした。 なぜなら、文化も知識量も違う初対面の人たちとコミュニケーションを取れるか不安だったからです。きっと、今これを読んでいてサマーチャレンジに参加しようか迷っている方の中にも、同じような不安を持っている人がいるのではないでしょうか?そんな人にも、ぜひ勇気を持って応募してほしいなと思います。私も参加初日までずっと不安でした。しかし、サマーチャレンジのプログラムの中には、同じ演習班の人やそれ以外の人ともコミュニケーションを取りやすいような時間が設けられていました。そのおかげで、結果的にはコミュニケーション面で「他の人と話せなくて困る」ということで悩むことはありませんでした。また、サポートのおかげで、文化も知識量も違う人たちとのコミュニケーションは苦痛なものではなく、とてもいい刺激になるのだと知ることができました。 サマーチャレンジで知り合った友人たちとは今でも連絡を取り、色々な面で刺激を受けています。初めは不安でしたが、思い切って参加してよかったと思っています。一生の思い出になりました。皆さんも飛び込んでみませんか?

 

柴田 海輝さん 大阪大学大学院 理学研究科 (10期生)

サマーチャレンジに参加して、一つの実験についてじっくりと考えることができるようになりました。私が主に行った実験は光子の波動性の検証です。 光子はそれ以上分割することができないにもかかわらず、一つだけでも干渉することはよく知られています。 ダブルスリットを通った光を画面に映し出して干渉縞ができているのを確認すれば良いのですが、思っていたよりも苦労しました。 まず、実験器具の組み立ての際に一つのねじ穴からきつく締めてしまい、最後の方のねじ止めがうまくいかなかったりしました。 ねじ止めは、始めは緩く全体的に止めておいて最後にきつく締めないとうまくいかない、と実感しました。 次に、検出された光子を画面に映そうとしましたが、画像に変換する装置のマニュアルはありませんでした。 なので、とりあえずボタンを押してみて画面ではどのように表示されるのかを一つ一つ試して、自分たちで画像変換の装置のマニュアルを作りました。 とりあえず、干渉縞は画面に表示されました。その時は光をビーム状にして入射していたので、光を弱くしていって、光子が一つ一つ入射されるようにしました。一フレーム当たりにいくつの光子が画面に表示されていればそう言えるのかを、筒の長さや一フレームの時間から計算しました。干渉縞が確認でき、無事に光子の波動性が証明されました。 サマーチャレンジは、言われたことをただやるのではなく、自分でよく考えてやるいい経験になりました。

 

古川 晴貴さん 中央大学大学院 理工学研究科 (10期生)

私の大学では物理学実験の講義で素粒子に関連した実験が殆ど無かったため、サマーチャレンジでの実験内容は非常に興味深いものでした。 サマーチャレンジに参加する人たちは自ら応募して選考に勝ち残った人なので、自主性と熱意のある人たちばかりです。彼らに混ざって積極的に議論することで物理学への興味をより強く持つことが出来ると同時に、ライバルの存在を認識することで生まれた焦りは自分の努力の大きなモチベーションとなります。 大学院では素粒子理論を研究しているため実験とは離れてしまいましたが、サマーチャレンジをもっと楽しいものにしたいと思い、今はOBOG会(世代間交流会)の運営に携わっています。私にとって、サマーチャレンジは物理学のみならず、スライドの作り方や発表の仕方など多くのことを学べる稀有な機会でした。サマーチャレンジで知り合った人とは今でもSNSでやりとりしたり定期的にお酒を飲みに行ったりするほど仲良くなりました。 人生は見学できません。挑戦しなければ何も学ぶことは出来ません。もしこれを読んでいる貴方がサマーチャレンジに参加しようか迷っているとしたら、勇気と自信を持って挑戦してみることを強くオススメします!

 

渡邉 真莉さん 現職:産総研(計量標準領域) (9期生)

サマーチャレンジほど面白い夏はないです!学びの幅がぐっと広がります。 放射光によって私たちの目には見えない物質のミクロな構造を覗いて感じた、強い感動、そして、わくわくとした心の喜びは今でも色褪せることはありません。 大学の研究室選びの参考にもなり、その先も研究の道に進みたいと決意する転機となりました。 自分が専門にしてみたい演習テーマはもちろん、他分野の演習テーマを選ぶこともできる貴重な機会でもあります。 好奇心の赴くままに、研究仲間と過ごす夏を楽しんでください!