物質・生命コース 秋の実習
2014/11/21
プログラムを掲載しました。詳細はメールの指示をご確認ください。
感想文の提出は12月19日(金)まで。
2014/10/28
実習参加者は旅費の申請をしてください。
スタッフ・TAの方は宿舎予約が可能な期間に入っていますのでご自身で予約をお願いします。
秋!?の実習の日程が決まりました。12月6日(土)~7日(日)※12/5にKEKに到着すること。
お知らせはこちらをご覧ください。
演習課題M01環境に存在する重元素の化学状態を調べる
- 担当教員:
- 千葉大学理学部 沼子 千弥
- KEK放射光科学研究施設 阿部 仁 丹羽 尉博
私たちの環境に存在する重金属元素は、その化学状態(酸化数・化学組成・化学結合等)により、毒性などの生物に対する影響力が変化します。よって、私たちの身の回りの物質、例えば飲料水や下水などを安全に管理するためには、その存在量を低下させること(除去)とともに、安全な形に変化させることなどが効果的です。この化学状態を知るのに最も強力な分析手法のひとつがX線吸収微細構造法(XAFS)です。この演習では、理科の実験でできてしまった重金属廃液を、環境に戻すことのできるレベルまで純化する過程で、目的の重元素の化学状態がどのように変化していくかをXAFSを使って調べていきます。
詳細はこちらから>>演習課題M02プラズマを使って物質の状態変化を調べる
- 担当教員
- 東京工業大学 中村 一隆
- KEK放射光科学研究施設 野澤 俊介 一柳 光平
近年、電化製品等に幅広く応用されている"プラズマ"は、電離した気体であり、個体・液体・気体に続く第4の状態と呼ばれています。ここで、短パルスレーザーを固体試料に集光すると高温高密度のプラズマを生成することができます。夏の演習では、高速に状態が変化していく、このレーザー励起プラズマを分光測定によって追跡することで、物性評価に応用します。また、レーザー励起プラズマにおいて、レーザーのエネルギーは高密度に運動エネルギーに変換されるため、サンプル面では強烈な衝撃波が形成されます。この衝撃波によって試料の構造は圧縮されていき、最終的には破壊されます。高速な破壊現象を理解することは材料開発において重要ですが、秋の演習では、材料内部構造の高速破壊メカニズムをパルスX線を使って動画撮影し、物質中の原子位置の動きを直接観測することを試みます。
詳細はこちらから>>演習課題M03結晶の構造を読み解く
- 担当教員
- KEK中性子科学研究系 神山 崇
結晶中では、様々な原子が規則正しく配列しています。その配列の仕方が様々な性質を生み出します。今から100年前、ラウエやブラッグ親子、日本では夏目漱石の弟子としても知られる寺田寅彦が、そのことをX線を使って示し、結晶学という学問がはじまりました。この演習では、X線を使って「構造を読み解く」方法を学び、物質の性質を考えてみましょう。秋の演習では、J-PARCの中性子線を使って「構造を読み解く」方法を学びます。
詳細はこちらから>>演習課題M04タンパク質の形を見てみよう
- 担当教員
- 横浜市立大学 佐藤 衛
- 奈良先端科学技術大学院大学 上久保 裕生
- 東京薬科大学 小島 正樹
- KEK放射光科学研究施設 清水 伸隆 安達 成彦
生命活動は、生体内に存在する様々なタンパク質が協同的に機能することによって成り立っています。構造生命科学は、この機能メカニズムをタンパク質の立体構造に基づいて明らかにしようという分野ですが、アミノ酸残基レベルの局所構造からタンパク質全体の概形構造まで幾つかの階層的な空間スケールに基づいて議論する事になります。本演習では、タンパク質の構造状態を階層的に理解するために、紫外可視分光法・円二色性・光散乱・X線小角散乱などの手法を用いて解析します。
詳細はこちらから>>演習課題M05質量分析器を組み立ててみよう
- 担当教員
- 上智大学 東 善郎 小田切 丈 星野 正光
- KEK放射光科学研究施設 足立 純一
原子分子の質量を測定するために用いられる質量分析器は、原子分子物理学・物質科学・生命科学の幅広い研究分野で用いられています。本演習では、質量分析器の原理を学び、構造が単純である飛行時間分析型の質量分析器を、自分たちの手で組み立てることにより、その装置について深い理解を得ることを目指します。また、組み立てた質量分析器を用いて、身の回りにある物質を測定すことを通じて、実験計画と実際の実験の手順について体験します。 秋の演習では、組み立てた質量分析器を用いて、放射光をイオン化源とする実験を行い、夏の演習で用いたイオン化源との違いについて考察します。さらに、放射光による分子の光電離・光反応を調べる実験を行います。
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