メンバー

メンバー紹介

服部 香里

主任研究員
量子場計測システム国際拠点(QUP)

主任研究員 / 特任准教授
産業技術総合研究所 物理計測標準研究部門 / 高エネルギー加速器研究機構

e-mail kaori.hattori-at-aist.go.jp

私が研究者として取り組んでいるテーマは、極限状態での測定・観測によって高精度・高感度を達成し、ブレークスルーとなるようなサイエンス結果を得ることです。このような測定・観測を目指して検出器開発に取り組んでいます。大学院では、放射光を用いた1-100 nm スケールの構造解析のためのX 線イメージング検出器の開発を行い、博士号(理学)を取得しました。その後、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)Bモード偏光観測を目的とする地上実験POLARBEAR-2および衛星観測実験LiteBIRD に参加し、高感度化を実現するための超伝導検出器アレイ読み出しの研究に取り組みました。2016年より産総研にて、可視光・近赤外域の光子に感度のある超伝導検出器の研究を行っています。

Research Content

金属が低温で示す超伝導現象を応用した超伝導転移端センサ(Transition-edge sensor, TES)を用いた超高感度の光検出器を開発しています。本研究で開発した光TESは小型化することでeV程度のエネルギーを測定可能です。0.8 eVの光子で67 meV(FWHM)という極めて高いエネルギー分解能を実現しました。光ファイバーと結合することで、可視光から近赤外までの広帯域の光を100%に近い非常に高い検出効率で検出しました。これまで量子計算、量子情報通信、微弱光によるバイオイメージングに取り組んできました。光TESの高いエネルギー分解能を生かして、QUPにて新しいダークマター探索実験を開始します。また、数eVの電子の検出やその応用を目指します。さらに、光を用いた新しい研究にも興味があります。

© 2021 International Center for Quantum-field Measurement Systems for Studies of the Universe and Particles