2024年10月28日（月）～11月1日（金）の会期で開催された、Kavli IPMUが主催する国際シンポジウム「Kashiwa-no-ha Dark Matter and Cosmology Symposium 2024」において、量子場計測システム国際拠点（WPI-QUP, KEK）のYu Zhou研究員が、The Best Poster Awardを受賞しました。

Zhou研究員は、CMBの偏光モード、宇宙に存在する高温の銀河間物質、ダークマターの研究など、非常に遠い宇宙からの信号を発見するための突破口を開くことを研究のテーマとしています。その小さな信号を捉えるために、超高感度極低温検出器の開発も担っています。今回の発表では、XRISM人工衛星での宇宙からのX線測定から、ダークマターの崩壊の信号を捕らえる可能性を示しました。

今回の受賞に際し、Zhou研究員は「ダークマターの正体を天体物理学の観点から探ることは、私にとって新たなフロンティアです。私たちの新しいアイデアは、JAXAの新しい衛星XRISMのような高いエネルギー分解能を持つ分光器で観測すれば、矮小銀河Segue 1からのX線信号がダークマターの崩壊によるものか、通常の原子からのスペクトルなのかを区別できる、というものです。この研究は、ヴォロディミル・タキストフ氏、満田和久氏、そしてQUPの研究者と共同で行いました。彼らとの刺激的な議論が、今回の実りある研究へとつながりました。」と述べました。

（関連URL）
Kashiwa-no-ha Dark Matter and Cosmology Symposium 2024
https://indico.ipmu.jp/event/437/

ポスターに関連した論文（Astrophysical Journal誌に掲載予定）
“Unlocking Discovery Potential for Decaying Dark Matter and Faint X-ray Sources with XRISM”
Yu Zhou, Volodymyr Takhistov, Kazuhisa Mitsuda
https://arxiv.org/pdf/2407.18189

QUP 3分トーキング　「Yu Zhou 先生」
https://www.youtube.com/watch?v=FkqWowkCN34&t=67s