NEWS

Topics

2025.12.15


Multimessenger Astronomy Beyond the Standard Model and Quantum Sensing (Q-EYES 2025)

2025年12月9日(火)から12月11日(木)の会期で、量子場計測システム国際拠点(WPI-QUP)が主催する国際会議「Multimessenger Astronomy Beyond the Standard Model and Quantum Sensing (Q-EYES 2025)」を開催しました。

量子センシングなど検出器技術の急速な進展により、極めて微弱な場や力を、これまでにない高感度で測定することが可能になりつつあります。これと並行して、天文学においては、電磁波、重力波、ニュートリノ、高エネルギー粒子といった宇宙からの様々な情報を統合する「マルチメッセンジャー天文学」により、宇宙観測に新たな可能性を切り拓いています。これら二つの進展は相互に作用し、基礎物理学を探究するための新たな機会を生み出しています。標準模型を超える理論は、通常さまざまな新しい量子場の存在を予測しており、それらは、天体物理学的観測および実験室規模の量子計測システムの双方を通じて探究可能な、これまで未発見のメッセンジャーとして検出される可能性があります。

本会議は、これまで個別に発展してきた、これらの異なる研究分野の融合を促進することを目的として開催されました。実験室における量子センサー技術や計測手法と、天体物理学および高エネルギー物理学の観測とを結びつける場として、多様な研究コミュニティの専門家が一堂に会しました。これにより、共通の方法論の発見や新たな学際的共同研究の創出、さらには宇宙を捉える新たな「目」としての量子計測システムが秘める発見可能性を明らかにすることを目指します。

QUP主任研究員であり、会議のチェアを務めたヴォロディミル・タキストフ特任准教授は、次のように述べています。「私たちは、実験室規模の量子センサーと、マルチメッセンジャー天文学および高エネルギー物理学による宇宙観測とを結びつけ、普段はほとんど交流のない研究コミュニティの間に共通言語を生み出すことを目指しました。議論を通じて、学際的な研究と技術が、標準模型を超える基礎物理学の探究や新たな発見を促進するうえで、今後ますます重要な役割を果たせることを確認できました。」

(関連URL)
Multimessenger Astronomy Beyond the Standard Model and Quantum Sensing (Q-EYES 2025)
https://conference-indico.kek.jp/event/352/overview

© 2021 International Center for Quantum-field Measurement Systems for Studies of the Universe and Particles