理論センタープロジェクト「弦からヒッグズ/フレーバー」では、9月27日から29日の3日間に KEK の 木村裕介さんに「超弦理論研究者のための代数幾何学入門」と題して入門連続講義をしていただくことになりましたのでご案内いたします。(北大の小林さんの入門連続講義の翌週です。)
弦の非摂動論的性質を引き出す強力な手段として超対称性を尊重する幾何学の対称性に基づく
弦の双対性がありますが、それを理解する際どうしても代数幾何の知識が必要になってきます。また、素粒子のBSMの起源を弦理論に求めるとき、宇宙論と分けて考えることはできず、そのような重力をデカップルさせない大域的コンパクト化を議論する際、代数幾何は今や必須の知識となっています。
今回はこのような数学の初歩の初歩を、木村裕介さんにわかりやすく解説していただこう
と思います。興味をお持ちの方はぜひどうぞご参加ください。
小林さんの入門連続講義はその前の週ですのでお間違えのないようにお願いします。
旅費/宿泊費については、この前の週のイベントを含めて補助ができるようになりましたが、
財源が限られておりますので、なるべく皆様ご自身の財源でお越しください。
どうしても財源の都合がつかない方は 溝口
までe-mailで直接ご相談ください。
どうぞよろしくお願いします。
高エネルギー加速器研究機構
素粒子原子核研究所理論センター
溝口 俊弥
tel 029-879-6092
fax 029-879-6101
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入門連続講義「超弦理論研究者のための代数幾何学入門」
プログラム
講師 木村 裕介(KEK)
場所 9月27日(1日目)KEK 研究本館1F 第1会議室
28、29日(2、3日目)KEK 研究本館3Fセミナー室
平成29年9月27日(水)13:30〜15:30
1. Varietyとscheme –代数多様体の導入
Varietyおよびschemeにより代数多様体の定義を導入する。
代数多様体の具体的な例を紹介する。
平成29年9月27日(水)16:00〜18:00
2. 代数幾何学の基礎
層やcohomologyの言葉を用いて代数幾何学の基礎的な理論
を紹介する。また、代数幾何学の種々の基礎的な定理に
ついて説明する。
平成29年9月28日(木)13:30〜15:30
3. 代数曲面
K3曲面、Hirzebruch曲面などの代数曲面について議論する。
また、小平次元0のminimalな代数曲面の分類についても触れる。
平成29年9月28日(木)16:00〜18:00
4. 楕円K3曲面
楕円ファイブレーションを持つ代数曲面、特に楕円K3曲面に
ついて議論する。小平-Neronによる楕円曲面の特異ファイバー
の分類を紹介する。
平成29年9月29日(金)13:30〜15:30
5. Calabi-Yau多様体
Calabi-Yau多様体の構成について議論する。Calabi-Yau多様体
が楕円ファイブレーションを持つ構成についても考察する。
また、時間が許せば他の特化したトピックについても話したい。
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