2023年10月30日～11月3日、KEKつくばキャンパスにおいて Belle II Physics Week を開催しました。Belle II 実験の若手のためのスクールと、理論と実験で合同のテーマをしぼったワークショップを組み合わせたイベントで、午前中はスクール、午後はワークショップという形式で行われました。参加は現地のみでおよそ120名、その９割以上が外国からの参加者でした。今回のワークショップのテーマは、小林・益川行列要素 |Vcb| の決定です。

|Vcb| は素粒子標準模型に含まれる基本定数の一つで、その精密な決定は新物理探索の前提条件でもあります。Belle II の実験データをもとに、理論計算を組み合わせて |Vcb| が得られますが、「排他的」と呼ばれる方法と「包括的」と呼ばれる方法で得た結果が矛盾することが、ここ10年以上にわたって問題になっています。理論あるいは実験あるいは解析のどこに問題があるのか、世界中の専門家による詳細な議論が行われました。