素粒子原子核研究所の理論部門
高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所の理論部門は、素粒子物理学の理論的な基礎研究を行う部門として、1971年に誕生しました。その後、1997年に東京大学原子核研究所の理論部門と合併、2008年には、宇宙物理グループが発足し、常勤スタッフ20名を超える大きな研究グループになりました。2009年には、KEK理論センターと名称をかえて、今日にいたっています。2008年には、素粒子原子核研究所の所長も務めた小林誠特別栄誉教授が、ノーベル物理学賞を受賞しています。
KEK理論センターで研究しているのは、10のマイナス36乗メートルの極微な世界から、138億光年の宇宙に至る、広大なスケールをもった自然界の基礎理論です。物質は何からできているのか?なぜ宇宙から反物質が消えたのか?宇宙を満たす暗黒物質の正体は?宇宙はどうやって誕生したのか?これまでの研究、実験、観測を通して、私たち人類は、いくらかのヒントを得ることができました。ヒッグス粒子や宇宙背景輻射の発見はその一つです。しかし、これまで得られたばらばらのピースを組み上げて、より根源的な問いに答えるためには、これまでの学問の枠組みを超え、様々な研究者が協力して取り組むことが重要です。
本理論センターでは、素粒子物理学、原子核物理学から宇宙物理学にいたる幅広い理論研究者が集まり、また本研究機構の実験研究者とも密接に連携を取りながら、自然界の謎の解明へ向けて、日夜、研究に取り組んでいます。また、大学共同利用研究機関として、国内・国際ビジタープログラム、新たな共同研究プログラムなどを推進し、コミュニティーの皆様との連携を測ってまいりましたが、さらに国内外の重要な研究教育拠点としてその機能を高めて行く所存です。KEK理論センターを皆様の研究教育活動に積極的にご活用ください。