seminar2011
Thursday, June 9 2011, 15:30
[理論宇宙物理グループセミナー] 速度依存する対消滅散乱断面積をもつダークマターモデルの宇宙論的検証
- SPEAKER
Kazunori Kohri, KEK
- PLACE
Meeting room 3, Kenkyu honkan 1F
2008年秋から2009年春にかけてPAMELA衛星とFermi衛星により、宇宙線の陽電子・電子が標準的な宇宙物理学の理論予想より過剰に検出されたと報告されました。それに対し、素粒子論的な興味ではダークマターの対消滅による陽電子・電子生成のモデルが多数考案されてきた。観測された陽電子・電子過剰を説明するために必要な散乱断面積の値は、熱浴から作られて現在に残るダークマターの量を説明するために必要な散乱断面積の値より、1000倍も大きく、その比の値はブーストファクターと呼ばれている。
今回のセミナーでは、そのように大きなブーストファクターを出す可能性のある速度依存する散乱断面積が、いかに宇宙論的に影響を及ぼし、他の観測から厳しく制限されるかについて解説します。