seminar2012
Monday, December 3 2012, 13:20-14:20
[Particle and Nuclear Physics Seminar at J-PARC] 第一原理計算による4Heの電弱励起の研究
- SPEAKER
堀内渉, 北海道大学大学院理学研究院
- PLACE
Tokai 1st building 115, KEK Tokai campus
本講演では4Heの電弱応答について、4体計算による解析結果を紹介する。低励起の光吸収断面積は基底状態から非束縛な励起状態への電気双極子遷移による。あらわに相関した特殊な波動関数を用いることにより、核力によって強く相関する4核子系を一つの枠組みで記述した。得られた光吸収断面積は実験値を広いエネルギー領域でよく再現し、反応閾値近傍の光吸収断面積では3He+n, 3H+pクラスター配位が重要となること、光吸収断面積の総和に対応するThomas-Reiche-Kuhn和則へはπ中間子交換力、とりわけテンソル力が主要な寄与を成すことを示した。また、電気双極子演算子に類似のスピン双極子演算子による遷移はニュートリノー原子核反応の際に重要となる。得られたスピン双極子強度関数は実験のスペクトル、共鳴パラメータをよく再現し、和則においてテンソル力の効果を示唆する結果が得られた。