PLACE
Seminar hall 4 go-kan / Room 116 1 go-kan Tokai campus(TV link)
半導体や金属を微細加工して作られる微小な固体素子をメゾスコピック系と呼ぶ。
その最大の特長は、量子効果が本質的なスケールにおいて、磁場や電場などの外場を利用することで、制御性の高い精密な実験が可能となる点にある。
たとえば、電子干渉計や人工原子等で発現するコヒーレンス・スピン・多体効果に依存する伝導の研究は、物性物理学の発展に大きな貢献を果たしてきた。
これまで、メゾスコピック系における実験研究の多くは、系の電気伝導度測定を主体とするものであった。しかし、近年、非平衡状態の動的な情報を得る手段として、電流ゆらぎ(電流雑音)測定が大きな関心を集めている[1]。本講演では、まず、メゾスコピック系と電流ゆらぎについて紹介する。さらに、近藤効果によって、人工原子に形成された量子液体のゆらぎについて、議論する[2−5]。
[1]K. Kobayashi, Proc. Jpn. Acad., Ser. B 92, 204 (2016).
[2]Y. Yamauchi et al., Phys. Rev. Lett. 106, 176601 (2011).
[3]M. Ferrier et al., Nature Phys. 12, 230 (2016).
[4] M. Ferrier et al., Phys. Rev. Lett. 118, 196803 (2017).
[5]T. Hata et al., Phys. Rev. Lett. 121, 247703 (2018).