台湾放射光センター(NSRRC)が建設を進めている3GeVの第3世代放射光加速器TPS(Taiwan Phonon Source)が2015年12月12日に設計値を越える520mAの電流蓄積に成功しました。2010年の起工式以来6年を待たずして達成するという異例の早さです。
この高周波加速装置にはKEKBが大電流加速のために開発した高調波減衰型超伝導空洞が採用され、その導入に技術支援を行ってきました。KEKB型超伝導空洞の特徴として、1Aを越える大電流ビームの安定な加速実績があること、使用している高周波入力結合器の許容電力が要求される高周波電力に対して余裕があること並びに結合度が調整できることなどが評価された結果です。2015年9月に稼働を開始し4ヶ月後には520mAの蓄積を達成しました。最先端放射光加速器においてもKEKBが開発した超伝導空洞が大きな貢献をすることになりました。
詳しくはNSRRCのホームページをご覧下さい。
Taiwan Photon Source Exceeds the Design Goal of 500 mA Stored Current
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2013年の記事: 台湾放射光向けのKEKB型500 MHz超伝導加速空洞が完成!
2010年の記事: 〜台湾放射光施設TPSの蓄積リングにKEKB超伝導空洞の採用が決定〜
〜 文責 : 加速器第三研究系 古屋 貴章〜