統計的手法を用いた物理解析への応用と計算機シミュレーションを研究しています。
目的・ビジョン
加速器実験におけるデータ解析で必要とされる解析法の研究を、ベイズ統計に基づく数値統計の技術・手法の研究とともに進めています。
概要
近年の高エネルギー実験は、装置の複雑化・巨大化に伴って、解析すべきデータも複雑化・巨大化となるため、効率よくデータ解析を行うためには、解析法の開発が不可欠です。高エネルギー実験におけるデータ解析は一種のデータマイニングの過程ですが、一方、データマイニングや情報処理においてベイズ統計に基づく研究が急速に発展を遂げており、近年の計算機の発達と相俟って、その成果は様々な分野へ応用されています。それらの手法の高エネルギー実験のデータ解析などへの応用を研究しています。
具体例として、高輝度電子・陽電子線形加速器の衝突実験におけるルミノシティー(ビーム輝度)推定法を題材に、事象のスペクトラムの推定法を研究しました。厳密な粒子反応の統計モデルの構築とベイズ統計に基づく推定を用いることで、従来の研究におけるパラメータ推定よりはるかに少ない(実用的な)データ量でパラメータ推定を行うことができることを示しました。