私たちの研究グループでは、ミューオンの稀崩壊過程に関する研究を行っています。
素粒子の標準模型の枠内では、世代ごとのレプトン数が保存されており反応の前後で変化することはありません。しかしながら標準模型を超えるような物理の枠組みの中では、微小ながら世代ごとのレプトン数が保存しないような現象が起こることが示唆されています。すなわち、このような現象を発見することができれば標準模型を超える物理の確固たる証拠となりえます。
このような観点から、私たちの研究グループでは以下の2つの研究を精力的に推進しています。
スイスポールシェラー研究所におけるμ→eγ崩壊探索 MEG、MEG II
J-PARCにおけるμ-e転換事象探索 COMET
MEGは本格的な物理データの収集が2008年から開始され、2013年に第一期のデータ収集を終えました。現在そのデータを解析中でこれから新しい物理結果が出ることが期待されています。また、第二期のデータ収集(MEG II)を実験感度を向上して行うための検出器の開発研究も進められています。
COMETはJ-PARCで行われる新たな実験です。J-PARCで供される大強度陽子ビームを駆使して大強度のパスルミューオンビームを生成し、現在のμ-e転換事象探索の上限値を4桁近くも上回る感度で探索を行おうとする実験です。現在、2016-2017年ごろの第一期の実験開始に向けて施設の建設と測定器の開発研究が進行中です。
MEG-MEG II実験、COMET実験はいずれも国際コラボレーションによる実験で海外からの研究者も多く参加しています。
当研究グループではミューオン稀崩壊の研究を通じて標準模型を超える物理を検証したい、という意欲を持つ学生を歓迎します。研究内容の質問・相談などがある方は、三原まで連絡ください。見学も大歓迎です。
最終更新日:2023/03/31
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