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KEK連携コロキウム・研究会エディション「量子多体系の素核・物性クロスオーバー」を初開催

2019年1月14日(月)〜16日(水)にKEK連携コロキウム・研究会エディション「量子多体系の素核・物性クロスオーバー」をKEKつくばキャンパスで開催しました。

素粒子原子核物理学と物性物理学は、研究対象は異なるものの、研究の手法や概念は共通する部分が多く、互いの分野の研究を理解することは非常に重要です。そこで、互いの分野の研究的な交流を図り、その関連性を再認識しながらより自然科学への理解を深めることを目的として、素粒子原子核研究所と物質構造科学研究所が共同でKEK連携コロキウムを企画しました。

KEK連携コロキウムは昨年度から始まり、これまでにコロキウムと集中講義が計10回行われてきましたが、今回規模を拡大して研究会として初めて開催されました。研究会には日本各地から約80名の研究者が参加し、素粒子原子核物理学や物性物理学の垣根を超えた交流がなされました。

例えば、横浜国立大学の那須譲治准教授は、「キタエフ量子スピン液体におけるマヨラナ準粒子」というタイトルで講演をしました。ニュートリノという素粒子が、「粒子とその反粒子が同一のものである」という性質を持つマヨラナ粒子であるか否かは素粒子物理学で未解決の問題の1つに挙げられますが、そのマヨラナ粒子と同様の性質を持つ励起状態が物性系に現れることを紹介しました。

他にも、慶應義塾大学の山本直希准教授は「超新星におけるカイラル電磁乱流」というタイトルで、超新星爆発の研究に素粒子原子核物理学と物性物理学で重要な概念であるカイラリティを導入するという新しい視点を提案しました。

素粒子原子核物理学関連の講演中は物性物理学の研究者からの質問が多く寄せられ、また物性物理学の講演内容に関しては素粒子原子核物理学関連の質問で盛り上がりました。KEK連携コロキウムの研究会では、このように互いの分野を超えた活発な議論が目立っていました。今後も素粒子原子核物理学と物性物理学のさらなる連携が期待されます。

研究会の概要

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