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「符号問題」で成果、理論センター所属のアテス・ヨスプラコップさんが SOKENDAI賞を受賞

理論センター所属のタイからの国費留学生、アテス・ヨスプラコップ(Atis Yosprakob)さん(総合研究大学院大学、素粒子原子核専攻)が第9回SOKENDAI賞を受賞しました。
授賞式は9月28日(水)葉山本部で学位記授与式後に開催され、長谷川眞理子学長から賞状と記念品が授与されました。

対象となった学位論文のタイトルは「符号問題の解決に向けて~複素ランジュバン法、シンブル法、テンソルネットワーク法」"Complex Langevin, thimbles and tensor networks as solutions to the sign problem"です。

 

ヨスプラコップさんの学位論文のテーマは「符号問題」です。この問題は理論物理学の様々な計算に現れ、その進展を長年はばんできた悪名高い問題です。例えば、クォークとグルーオンが複数関わる「多体系」を研究するときや、超弦理論に基づき宇宙開闢(かいびゃく)の謎を解明するときに現れます。

ヨスプラコップさんは、この難問に、複素ランジュバン法、シンブル法、テンソル・ネットワーク法という3つの異なる方法で取り組み、それぞれの方法を素粒子論に現れる興味深い問題に適用しました。特にシンブル法については、量子トンネル効果に対する新しい見方を与えることに成功し、テンソル・ネットワークについては、大きな内部自由度をもち素粒子の運動を表現する「ゲージ理論」の新しい性質を発見しました。


SOKENDAI賞は、総研大の理念と目的に照らして、特段に顕彰するに相応しい研究活動を行い、その成果を優れた学位論文にまとめて課程を修了し、学位を取得した修了生を表彰する賞として平成30年度に創設されました。

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