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【ようこそ素核研へ】ハドロングループ内山雄祐さん着任インタビュー

2023年10月から、ハドロングループに、内山 雄祐(うちやま ゆうすけ)さんが助教として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

高校生の時に同じ母校出身の物理学者、本間三郎先生の講演を聞いたのがきっかけです。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

スイスにあるポールシェラー研究所で実験をしているMEGおよびその後継のMEG IIという実験をして、ミュー粒子が電子に崩壊する事象を探索していました。それほど規模の大きくない実験だったので、実験装置を考え・開発し・運用して取ったデータを解析して世界一の物理結果を出すという一連の研究を行えたのが楽しかったです。それでも一つの実験は、~10年というスパンで行われます。気が付けばスイスに17年住んでいました笑。

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

J-PARCで行うCOMET実験を早期に開始させて、引き続き、荷電レプトンの世代が変わる事象の探索を突き詰めていきたいです。MEGやCOMETで探している事象は素粒子の標準模型では起こりえない現象でいまだ発見に至っていません。一方、超対称大統一理論などの標準模型を超えた物理があると、極わずかな確率で起こることが予言されています。そのためにはJ-PARCの大強度陽子ビームを使って大量のミュー粒子を生成する必要があります。MEG実験で発見できなかったことを考えると、COMET実験では過去の実験より1万倍以上高い感度で探索する必要があると思っています。そのためには、段階的に実験を高度化していく必要があります。また、長い挑戦が続きます。

■研究や作業などで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

別の研究課題をやったり、論文やプレゼン用の見やすいきれいなプロットや図を作ったり、事務作業をやったり。あとは時間の許す限りひたすら寝ます。それでもたまに夢の中で研究のことを考えていたりしますが。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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