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【ようこそ素核研へ】EFグループ 須江 祐貴さん着任インタビュー

2024年8月に、EFグループに、須江 祐貴(すえ ゆうき)さんが博士研究員として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

私が素粒子物理に興味を持ったきっかけは、中学生の頃、図書館で読んだニュートンプレスの『Newton』という科学雑誌です。難解な内容でしたが、未知の世界を少しずつ理解する楽しさに惹かれ、好奇心をかき立てられました。高校に進学した当初は、身の回りの物質を構成する仕組みを解き明かす化学に魅力を感じていました。しかし、物質を構成する最小単位である素粒子や、それらに作用する力を数式で記述する理論に興味を持つようになり、次第に素粒子物理学への関心が深まっていきました。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

現在、実験と理論の間にずれが見えている物理量である「ミューオン異常磁気能率(g-2)」の研究を中心に行っていました。修士課程では、茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設 J-PARC で準備中のミューオン g-2/EDM 精密測定実験に参加し、世界初となるミューオン線形加速器において、加速中のミューオンの状態をモニターする装置の開発に取り組みました。博士課程では、KEK で進行中の SuperKEKB/BelleII 実験に参加し、ミューオン異常磁気能率の理論値計算に資する研究として、電子陽電子衝突によるハドロン生成断面積の測定を行いました。

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

KEKでは、スイス・ジュネーブの欧州原子核研究機構 (CERN) で行われているLHC-ATLAS実験に参加し、世界最高エネルギーでの陽子-陽子衝突実験を通じて、新物理の探索を進めていきます。LHC-ATLAS実験は、これまで10年以上にわたり実験を続けていますが、データ量をさらに10倍に増加させることで、宇宙起源の謎や新物理の解明を目指しています。この目的のため、2026年から2029年頃にかけて、LHC加速器を含めATLAS検出器の大規模なアップグレードが予定されています。日本もこのアップグレードに多岐にわたる分野で貢献しており、私は特にミューオントリガーシステムのエレクトロニクス部分のアップグレードに携わる予定です。

■研究や何かで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

研究で行き詰まったときや考え事をしたいときには、散歩をすることが多いです。部屋の中をうろうろする程度のときもあれば、KEKの構内を軽く歩くこともあります。休日には、数時間町中をぶらぶら散策することもあります。景色を楽しむこともありますが、歩いている間は考え事以外にすることがないため、アイデアが浮かんだり、考えがまとまったりすることがよくあります。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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