ニュース

第2回測定器開発テストビームライン研究会を開催しました

4月3日、4日の日程で第2回測定器開発テストビーム研究会をKEKつくばキャンパスで行いました。オンラインも含め、約70人の研究者が参加しました。

 


この研究会はKEKつくばキャンパスのPF-AR 南実験棟に設置された測定器開発ビームラインで行われた共同利用実験の成果報告が中心です。2024年度は21実験が実施され、延べ参加人数は198人となり、2023年度と比べ15パーセントほど増えています。海外からの参加もあり、特に韓国と中国からの参加者が2倍近くになりました。

報告された実験の中では、荷電粒子の検出にフォトニック結晶を用いるという今までにない新しい試み(残念ながら信号は見えませんでしたが、今後に期待)や、最先端の半導体検出器の動作試験など、先進的な取り組みが紹介されました。また、今年も教育目的の実験が2件行われ、このビームラインが非常に使いやすく、さまざまな基礎的試験を手軽に行えることが改めて示されました。

成果報告の他に、測定器開発プラットフォームのセッションも行われました。測定器開発プラットフォームでは、幅広い分野・コミュニティーの研究者が研究会や情報交換を通じて、検出器の最新状況や最先端技術の動向を把握、共同開発の促進に努めています。次の4つの開発プラットフォーム、(1)光センサー+シンチレータ、(2)半導体、(3)ガス&アクティブ媒質、そして(4)エレクトロニクスが進行中です。共通の開発基盤の例としては、量子ドットやプラスチックシンチレータの試作材料のストック(1)、共同テストベンチや簡易クリーンルームを富士実験棟(2+3)、X線照射装置の整備や大型クライオスタット用の実験室(3)、Versal FPGA kitの実装テストベンチ(4)などがあります。今回の研究会では4つのプラットフォームそれぞれから報告が出され、開発方針やビームの利用状況、開発資源の共有についての議論が交わされました。

さらに、テストビーム自体の改善についても深い議論がありました。電子ビームラインの運用状況や性能向上に関する検討に続き、今年の夏に予定されている四極電磁石の配置換え計画についての詳細な説明に加え、ハドロンテストビームライン建設の可能性や、それらのビーム性能を測定するテスト実験についての報告があり、今後の方針について意見が交わされました。

 

これまでの運用や成果を振り返りながら、参加者同士で実践的なノウハウやアイデアを共有し、今後の運用や発展の方向性も明確にすることができた、実りある研究会となりました。

 

関連リンク

ページの先頭へ